すべてが猫になる

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こめぐら  (ねこ4匹)

倉知淳著。東京創元社

密やかなオフ会で発生した謎。男たちが真剣に探し求めるのは、とんでもないものの鍵だった!?キツネさん殺害事件の容疑者は当然ながら(?)どうぶつばかり。≪非本格推理童話≫の結末は?1994年の本格的作家デビュー以来、コミカルで上質なミステリの執筆に取り組んでいる著者が、16年のあいだに発表したノンシリーズ作品を集成。(紹介文引用)


ちょっと皆さんに出遅れたが、待ちに待った倉知淳さんの新刊が二冊同時刊行!というわけでテンション上がりっぱなし。もう新刊なんて出ないと思っていたよ。。うるうる。本格ミステリファンが本当に騒ぎたいのはこの世代なんだよ。というわけで大事に大事に読みました、五編収録の短編集第一弾。

「Aカップの男たち」
タイトルでもう何のオフ会か半分ネタバラシしてるはずなのに、予想と違うところから凄いネタが来た(笑)。いやいや、世の中の変態を変態呼ばわりしている君たちも変態だから^^;犯人足り得る条件なんかは面白かったけど、動機がゆるいのがらしいな。

「『真犯人を探せ(仮題)』」
シナリオ風。作中作が真の狙いではないってことで。なんか、なんも言うことないわ^^;

「さむらい探偵血風録 風雲立志編」
この流れでいきなり時代ものかぃ!?とコケたが、語り手がB級ミステリ映画ファンってことらしい。
この仕掛けに前例があるのは倉知さんもご承知の上だろうが、読者を怒らせたい腹なのか?^^;

「偏在」
うざうざ勘違い男のお話。呪術かなんかと組み合わせたのは目新しい?かな?まあこういうこと考えて生きてるんだろうなって男はほんとにネットには存在するからね。。オチはなかなか。

どうぶつの森殺人(獣?)事件」
タイトルに?とかついてる小説初めて見た(笑)。絵本が始まるのかと思ったけど、動物を擬人化したドロドロとほのぼのが合わさったかわいいミステリ、ってことでどう?^^;

「毒と饗宴の殺人」
ひゃーーーーっ!!猫丸先輩のご登場だい!!(ノ^^)ノ相変わらずののほほんとほほんぶりを見せられてファン一同むせび泣いております。そういえば、猫丸先輩で殺しものって珍しいんだね。掲載出来て良かった良かった^^


以上。
ゆるくてバラエティに富んでいるのにどれも倉知さんって感じ(「偏在」は除く)。ちょっと「新本格もどき」と同じニオイを感じるのは私だけ?ゆるゆるだけど、やっぱり別格って感じするなあ。この作家さんほど読者に好みを分けさせない人って居ない気がするもの。不快じゃないのに無難でもない。
次の「なぎなた」にももう取り掛かっております。


(256P/読書所要時間2:30)