すべてが猫になる

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タイムスリップ森鴎外  (ねこ3.7匹)

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鯨統一郎著。講談社ノベルス

大正11年、何者かの手によって80年後の渋谷道玄坂に突然タイムスリップさせられた森鴎外こと、森林太郎。元の世界に帰る方法を探る鴎外は、超ミニスカートの女子高生・麓うらら達と共に、芥川龍之介太宰治ら昭和初期の作家達に共通する奇妙な現象を発見する。予想もつかない意外な犯人に、文壇騒然間違いなしの野心作!!(裏表紙引用)


*作品内で森鴎外が何をするか、だれにも言わないでください。と書いてあるので、本書未読の方は記事を読まないようにお願いします。
















読み終わってひとこと。


                  あ ほ か。



久々にテンションキレあがった鯨さんを読んだ。

朝マックする森鴎外
カラオケで佐野元春を歌う森鴎外
ホームページを開設する森鴎外
ラップコンテストに出場してウケる森鴎外

知り合ったギャル達に「モリリン」と呼ばれ、タイムスリップした現状を受け入れ80年後の日本に順応して行く森鴎外がとても素敵だった。さすがドイツ留学経験者。医者であるゆえの知識も十分に発揮され、性格も頑固すぎずとても好感度が高い。さらに、現代小説に対する追求心も素晴らしい。本屋に足しげく通い、宮部みゆきや西村京太郎のみならず都筑道夫天藤真などを購入する森鴎外は見習いたい姿勢だ。京極夏彦の分厚さや講談社ノベルスコーナーの森博嗣の多さに注目しているところが笑える。。。


そんなわけで、タイムスリップした理由や文豪たちの早死にから自分の置かれた境遇を推理したりもする。メインはこちらなのだが、それがどうでもいいぐらいくだらない強引な真相であるからして(乱歩ファンの自分としては苦笑しまくりである)他の要素が面白かった、それに尽きる。純文学の豆知識も身についた・・・かな?^^;


本書はシリーズになっているようだけど、キャラクターは同じなのかな?(うららとか)