すべてが猫になる

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非在  (ねこ3.2匹)

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鳥飼否宇著。角川文庫。

奄美大島の海岸に流れ着いた一枚のフロッピー。そこに記されていたのは奇怪な日記だった。ある大学のサークル一行が古文書を元に、人魚や朱雀、仙人が現れるという伝説の島“沙留覇島”へ渡った調査記録だった。だが、日記の最後に記されていたのは、殺人事件を告げるSOS―フロッピーを拾った写真家の猫田は警察へ届け、大規模な捜索が行われるが、それと思しき島には誰一人いない。猫田は幻の島探しに乗り出すが…絶海の孤島を舞台にした、驚天動地の本格+ネイチャーミステリ。 (裏表紙引用)


本書を買ったのは大昔であります^^;冒頭~の”日記”で挫折して以来ほっぽっていたのですが、最近『樹霊』が文庫化したので慌てて読みました。わりとさっくりイケました。そうか、前回は眠かったんだね。

うん、鳥飼さんらしい。。。どこまで読んでも鳥飼さん。今までで一番蘊蓄が凄かったんじゃないかな。。さすが奄美大島で生物観察を続けるミステリ作家^^;
人魚についてのくだりは面白かったけど(サイレンの語源はセイレーンから来ているとか)、
昆虫?やら地理やらの考察ははっきり言ってやっぱり眠い。ヨーロッパなら得意なのですんなり頭に入るんですが。。(だから英仏のミステリ好きなのかも)漢字だって得意なんだけど日本の地名や人名は大の苦手。矛盾してるけど、島名の漢字の羅列がずらずら並ぶだけで「ごめんなさい許して下さい」と謝りたくなるんだよぅ。。日本の地理も歴史もキライ^^;

だけど、猫田さん達一行の孤島サバイバル、調査記録に記されていた数々の人間消失、殺人事件は面白かった。仙人の存在が物語としてもミステリとしても生きていたねえ。かなり謎解きはややこしいのだけど、ユルいものとどっちがいいかって言ったらコッチだね。鳶山さんはかなりの博識でうならされるし、猫田さんのチラチラ見える女っぽさも笑えた。ちょっと真相は不気味だったなあ。そのエピソードがなくても充分トリックが成り立っていたし雰囲気が出来てたと思うんだけど、どうでしょう。
あと、エピローグが良かった。鳥飼さんここにあり、って感じですよね。ヘンであることを信条にしてらっしゃるのかと^^;


ところで、これは第2弾なんでしょうか?^^:あんまりシリーズ的な印象を持てない作風なので。
「密林」「中空」と読んだのですが、どっちに出て来たキャラクターでしたっけ。どっちもでしたっけ。←読んだんじゃないのかよ

                             (311P/読書所要時間3:00)