すべてが猫になる

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チャーリー退場/Exit Charlie  (ねこ2.8匹)

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アレックス・アトキンスン著。創元推理文庫

楽屋で“マクベス”を引用すると凶事が起きる?そうとは知らず、新顔の女優がその台詞を口にした。そして、幕が下りるや、主演男優チャーリーが毒殺された!だが、主役が死んでも舞台は続けなければならない。ファーニス主任警部は次の開幕までに犯人を挙げることができるのか?舞台監督や演出家、俳優たちを相手に、警部の綿密な捜査は続く。幻の本格ミステリ、新訳決定版。 (裏表紙引用)


復刊リクエスト枠にも登場し、一部で「是非文庫化を!」の声が熱かったらしい。自分はタイトルが面白そうだったので買ったというだけだが。演劇界を舞台にしたミステリという事で、そういう世界に興味がある方には楽しめると思う。自分はそういうものに全く疎く、せいぜい知人の劇を観に行った事があるとか『ガラスの仮面』が大好きとかその程度でしかないが、題材として読む分には「苦手分野」ではないのでイケると思ったんだけどなあ。。。

登場人物の多さと個性の無さのハードルは高かった。。常に人物紹介ページに指を挿んではいたがほとんどが「女優」「性格女優」「若手俳優」とかしか説明がないので、覚えようがない^^;誰が気が強いとか涙もろいとかそういうのもないけれど誰が誰を好きとか誰と誰がいけない関係だとか、そのあたりが設定されている。その割にこれと言ってアクシデントも諍いも疑い合いもないので退屈なんだよなあ。
ミステリ的には舞台である事の効果や意味があったし、演出もなかなかだったのにもったいないなあ。
解説で書かれている「展開のフレッシュさ」や、「動機を念頭に置かなかった警部は読者が謎解きと向き合うのに有効」という褒め言葉もピンと来なかったなあ。これ、動機があってこそ成り立ってる事件じゃん。。一番面白味があるのそこだし。

あんま褒めるとこないや。。。^^;;悪かったとも思わないのだけど、凄く淡々としていて楽しめませんでした。

                             (369P/読書所要時間4:30)