すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

天使に見捨てられた夜  (ねこ3.6匹)

イメージ 1

桐野夏生著。講談社文庫。

失踪したA○女優・一色リナの捜索依頼を私立探偵・村野ミロに持ち込んだのは、フェミニズム系の出版社を経営する渡辺房江。ミロの父善三と親しい多和田弁護士を通じてだった。やがて明らかにされていくリナの暗い過去。 都会の闇にうごめく欲望と野望を乾いた感性で描く、女流ハードボイルドの長篇力作!(裏表紙引用)


村野ミロシリーズ第2弾~。
前作より面白さは下がっておりませんが、少しスケールは小さくなってるかな?桐野さんの取材力は相変わらずさすがという感じで、A○界の裏側、本性をリアルに暴いています(と、思います。だって知らないんだもん^^;ちなみにヘンなトラックバックが来たら嫌なのでVのとこ伏せ字にしてます)

ところでいつのまにかミロが探偵になっていますね。北海道のお父さんを雇ったりしてなかなか一人前の探偵として板について来たのでは。隣人・トモさんとの一風変わった友情(愛情)や、今回ミロのお相手となったあの人物との情事を盛り込むことによって、強いだけではない、不器用で寂しがりやなミロの「女らしさ」が前面に出て良かったのではないでしょうか。感情面で言わせてもらうと、「またか」なんですが^^;これがハードボイルドの特徴の一つだとは言っても、好感は持てないですね。

作品としては、あるスターの死が一色リナの事件とどう結びつくのかが肝ではありますが、少し唐突感あり。世の中に男と女がいればどうにでも関係づけられるという点では意外性は薄し。「雨の○石」についてはなかなか素人には思いつかない面白い題材ではないでしょうか。調査がどうしても地道=地味になってしまうのは仕方がないか。

しかししつこいけど、やっぱりこのミロが「ダーク」に繋がるのかと思うと、距離感を持って彼女を見てしまいます。。これでシリーズ制覇したかと思ったら、まだ「ローズガーデン」というのがあったんですね^^;検索してあらすじに「ミロ」の文字を見て「ひぃ^^;」と言ってしまいました。。「ダーク」より先の作品なのかな。
          
                             (413P:読書所要時間4:00)