すべてが猫になる

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粘膜人間  (ねこ3.7匹)

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飴村行著。角川ホラー文庫

「弟を殺そう」?身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐太は、弟の殺害を計画した。だが圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親までも蹂躙されるにいたり、村のはずれに棲むある男たちに依頼することにした。グロテスクな容貌を持つ彼らは何者なのか?そして待ち受ける凄絶な運命とは…。第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した衝撃の問題作。 (裏表紙引用)


ぐえぇぇぇぇぇぇぇ^^;;;;;;;;
エログロのスプラッターでした・・・(><、)

舞台は戦前の日本。11歳の義弟の暴君ぶりに、兄達は弟の殺害を計画する。その方法というのは、知人のベカやんから紹介を受けた河童三兄弟に殺しを依頼する、というものだった。しかも、その謝礼に女を差し出すという約束をさせられた兄弟は。。。というお話。
かなり奇抜な世界で、掴みとしてはオッケーなのですが。お世辞が通じないという河童との会話はユーモラスだし、思い通りにならない非常識な河童の行動もあわあわと先が気になりますし。

しかし、どうしても第二部からの拷問シーンはいただけない。ある意味描写力がある、という事なのですがどうしてここまでの発想力を他の事に使えない?^^;と惜しくも辛い感想となりました。もちろん、大賞長編賞を獲るだけのレベルはある、とは思いますが。
だがしかし。でもしかし。終盤の少年とモモ太がつるんで行く展開は、元々読者が知っている事ばかりなので、何か一つこちらがめいっぱい驚けるような秘密を用意しておいて欲しかったですね。仕掛けが欲しかったというのか。

とは言いながら、好きな人には思い切りツボにはまるお話ではないでしょうか。自分は生理的に合わなかったのですが、力を感じる面白いお話だったと、それだけは心の底からそう思います。まる。