すべてが猫になる

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探偵家族/冬の事件簿/Family Planning (ねこ3.7匹)

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マイクル・Z・リューイン著。ハヤカワ・ポケット・ミステリ

親子三代で探偵業を営むルンギ一家は、相変わらずの超多忙。今日も美人の依頼人が駆け込んでくる。聞けば、ポケベルを使って脅迫されていると言うではないか。数字しか表示できないポケベルで、いったいどうやって?一家の次男アンジェロ夫婦の名推理が冴える(かも)。お洒落なブティックの店先を襲う謎の女性集団の事件あり、孫娘マリーも警察のご厄介になったりと事件の連続。そして一家のリーダー親爺さんは、発掘された白骨の謎という、本格的な殺人事件(ただし十年前の)に挑戦!ほのぼのと楽しい探偵一家のユーモアあふれる大活躍。 (裏表紙引用)


うひょ、たいへん気に入りました^^
読みたい作家ベスト3だったマイクル・リューインが大当たりしてとても嬉しいです。ユーモア系の作品を選んでみたのですが、笑わせるだけでなく温かさまでも兼ね揃えた作品ですね~。とにかく誰が好き、とか言えないくらいどのキャラも個性豊かで好感度高し。調査費の事ばかり口を出す親爺さんや長男のお嫁さんの事が頭いっぱいのママ、活動家のアンジェロに妻のジーナ、料理好きのロゼッタ、変わり者のサルヴァトーレ、喧嘩ばかりしているデイヴィットとマリー。この一家全員が駆けずり回って奇妙な依頼や殺人事件を調査して行くというなんとも風変わりで楽しい設定なのです。

持ち込まれる依頼も、”事件”と言っていいのかどうか^^;ブティックに現れ商売の邪魔をするダーティ・ガールズというのも笑わせますし、ポケベルに”999”という脅迫が入って来るという謎の女性というのも訳ありっぽいです。さらに殺人事件まで加わって、ルンギ家の抱える”非行”やおかしな恋愛沙汰を巻き込みてんやわんやのうちに大団円^^;結局いちばん目立ってなかったのが殺人事件だったというのが凄いんですよ。サルヴァトーレの恋人が葬儀屋という疑惑が浮上したりデイヴィットの初恋の相手が曲者だったりと、他の要素が面白過ぎて^^;

しかも、こんなトラブル続きの家族でもお互いがお互いを大切に思う気持ちがじんわりと伝わって来るのが一番の魅力ではないでしょうか。最後の親爺さんは格好良かったし(う~ん、意外)、ママの涙には感動したし、この調子なら何があっても心配はいらないでしょう、この家族は。
他にもこのシリーズあるみたいですね、作中でよく出て来るノーマン・スタイルズ事件というのも探してみよう^^