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龍臥亭事件  (ねこ4匹)

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島田荘司著。光文社文庫


御手洗潔が日本を去って1年半。彼の友人で推理作家の石岡は、突然訪ねてきた二宮という女性の
頼みで、岡山県まで悪霊祓いに出かけた。2人は霊の導くままに、寂しい駅に降り立ち、山中分け
入り、龍臥亭という奇怪な旅館に辿り着く。そこで石岡は、世にもおぞましい、大量連続殺人事件に
遭遇した。推理界の奇才が、渾身の筆致で描く本格ミステリー超大作。(上巻裏表紙引用)



上巻の表紙怖いっちゅうねん^^;;;;;誰やねんこれ。


え~、約1200ページにわたる長い長い物語、読了しました。おいらにしては苦戦したぞ。。
八つ墓村(現代、上巻)と、八つ墓村(過去、下巻)という趣きの重厚な作品。事件そのものの
陰惨さもさすが島田さんですこぶる面白く奇怪で、さらに下巻の都井30人殺しがさらに
凄い迫力でたまりません。その割に主人公(探偵役)が我らの御手洗さん……ではなく
石岡君なので、彼には荷が重そうです。それがまた一つの物語としてラストでの高揚感に
繋がるので良かったとしますか^^


なんとなく言いたい事があるので、以下ネタバレします↓未読の方はご注意ね。
























ラストで加納通子さんが名乗り、びっくらたまげたその前から薄々思っていたんですが。
こういう壮大というか緻密な、一作だけで完成しないミステリーというのは、やはり
リアルタイムで読まないと読者にそれなりの楽しむ上でのデメリットがあるなあ、と。
旧作である以上、吉敷シリーズと関連がある、というのはもう目をつぶっていても知識として
入ってしまうので、”それを言わないで下さい”と言ってももう誰の責任とかそういう
事ではなくなってしまうんですよね。

それに、容疑者が6人、と言っても今の自分にとっては実質4人しか容疑者がいないわけで。
石岡君は言わずもがな。犬坊里美が犯人ではない事がわかっているのってどうなんだろう。


いや、別に御手洗さんが出て来なかったから拗ねてるんじゃないんですけど^^;、
ここまでネタバレせずに書評を書きにくい小説というのも厄介です。こういう種類のものが
一番、ネタバレの基準に個人差が出るのではないかと。
とにかく有名作品はとっとと読むが良しだなあと思った次第。