すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

ら抜き言葉殺人事件  (ねこ3.5匹)

イメージ 1

島田荘司著。光文社文庫


ピアノと日本語を教えている笹森恭子が、自宅のベランダで首吊り自殺をした。部屋には、ある作家に
誤りを指摘した手紙に対する返信が残されていた。警視庁捜査一課の吉敷竹史は、現場に不審を抱き、
殺人説を唱える。そんな時、またもや自殺者が。しかも、恭子に来ていたのと同じ作家からの葉書が
…。(裏表紙引用)



ははは、面白いじゃない^^;
この作品、かなり評判が悪いようですが(カティさんとてっちゃんに「読むな、お願い」とまで
言われた^^;)いやあ、おいらこういうおかしな人間が出て来るお話、嫌いじゃないんですね~。
笹森恭子が因幡沼に送った「作家がら抜き言葉を使うなんて人間じゃない、軽蔑する」といった
クレームの手紙が面白過ぎて、それだけで満足してしまいました。
ちょっと偏執狂っていうんですかね、こういうの。


まあ、事件そのものも、自殺に見せかけたやり方が杜撰で本格推理では使えないようなネタ
なんですが、それなりに犯人の動機やトリックに意外性があってびっくりさせてもらいました。

ただねえ、しつこいけど、やっぱり島田さんの”女性観”には毎回首を縦に振れないんだわあ。。
「女性とはそういうものなんだろうか」とか「女性とは」「女性とは」とか、弁論するほどの
価値のない問題についていかにも「作家の深みのある言葉」のように書かれているのが
気に入らないッス。。
男性観については、吉敷の台詞などで凄く深みのある熱い人物を描けているのにこのギャップが
歯がゆいんですな。男性作家は女性を掘り下げてこそ本物、みたいなものを目指しておられるん
でしょうか。。。