すべてが猫になる

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舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵  (ねこ3.7匹)

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歌野晶午著。光文社ノベルス。


舞田歳三は浜倉中央署の刑事だ。仕事帰りに兄・理一の家によって、小学5年生になる姪のひとみの
相手をし、ビールを飲むのを楽しみにしている。難事件の合間を縫ってひとみをかわいがる歳三だが、
彼女のふとした言動が、ちょっと生意気でかわいらしい少女と、本格ミステリらしい難事件を
巧みに描く!(裏表紙引用)




今年に入ってから何かに取り憑かれたように更新しまくるわたし。有言実行とはわたしのことだ。
本を読むために生きているのか、更新するために読んでいるのか、それが問題だ。←ナーバス

前も同じ事書いたんですが、この時期にまだ記事が登場しないところをみると、皆さんやっぱり
コレは読まない、のでせうか。とほほ。(姉貴「買ってるんだけど後回しになってるんですよね~」
べるさん「早いですね。これ予約中です」よもさん「今それどころじゃないのが辛いところです
・・ごほごほ」たいりょうさん「試験が終わったらもちろん読みますよ!ひとみ萌え~~!!」
しら菊さん「御手洗萌え~!」beckさん「えっ!僕も!?」師匠「今年も僕は本を読みません」)
・・・という妄想はさておき。



ひとみちゃんが可愛い。さくさくと読みやすい。「ゆるミス」だけど本格ミステリとして
普通に謎解きを堪能出来る。
大変楽しい短編集でございました。
連作の体裁になっているので、(歌野さんでは珍しいような)読めば読む程リンクして行く
それぞれの事件の関係者達が上手く使われていて感心します。ただ「この人また出て来た」
とかではなく、ちゃんと次の事件に繋がって行くんですよね。一つの短編の中に、次
(とは限らない)の伏線が入っているというのは自分には新鮮で、小さな驚きでした。

キャラも一人一人弱くはないです。この読もうとする者を一瞬躊躇させていそうな
11歳の探偵・ひとみちゃんはごく普通の女の子です。ちょっと頭が良くて、
憎まれ口も叩くし大人ぶったりもするけれど、ご褒美のケーキやゲームを楽しみに
いい子で待っていたりして、でも根は寂しがりやで強がりだったりして。

決して『ロリータ』!的なキャラではありませんのでアンチ神麻さん(by西澤保彦)の方でも
恐れる必要はありません。
逆に言うと、もう少しどこかに歌野さんらしいインパクトが欲しかったけれど。
仮タイトルだった『舞田ひとみ11歳、将来の夢はラーメン屋さん!』の方が面白かったし^^;
あ、さすがにそれじゃ売れない?仮にも日本推理作家協会賞受賞作家。。

これ、めちゃくちゃシリーズにしやすそうだなあ。
いつも前向きに新しい事にチャレンジする歌野さんだから、それはないのかもしれないけれど。