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さよなら純菜 そして、不死の怪物 (ねこ外出中)

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浦賀和宏著。講談社ノベルス

さよなら、純菜。こんなキモメンガンダムオタクを好きになってくれてありがとう。
「死なない男」襲撃から史上最大の事件へと発展し、
二度とない最良の恋人を失ってしまった八木剛士。脳内妄想は果てしなく。
「この恨みはらさでおくべきかリスト」に名を連ねたクラスのあの連中に今、
復讐の時がやって来た。(何を書かせる。。)


こりゃまたあんさん、えらい展開になって来ましたやんか。。もうびっくり通り越して
口ぽかーーん、そして諦めですわ。もうやめた、後の展開想像するのやめた。
剛士の成長とか、純菜の正体とか、その他もろもろ詮索するのやーめた。

でもそれでもいくらなんでもまさか純菜が登場しないとは思わなかった。
展開は前作からほとんど進まず、やっとこさ動き出したのはもう終盤にさしかかろうかと
いう辺り。それでもページは埋まって行くし字数はこれまでになく多い。だって80%は
剛士の非建設的な脳内妄想だもんね。(楽しみにしていた『バトル・ロワイヤル』を
堂々とネタバレしてくれてありがとう!浦賀さんよ!!!!!『MONSTER』は読んでたので
セーフ!まだだった方は御愁傷様でございます!!)
そして中盤では浦賀さんの「本格推理小説における探偵の存在について」に物の形を借りて
延々と講釈垂れるんだもん。。そうか、安藤シリーズはそういう意図を持って
描かれていたんだね。伝説となった「学園祭の悪魔」、番外編とはいえ「透明人間」も
無事刊行されて成し遂げちゃったのね。

そしてそして、それを予防線にして本書のラストでいっちゃうの!?いっちゃうのか!?
アレをやっちゃうのか!?……と思いきや。。。なんかなくした財布が出て来て喜んだのも
つかの間中身が全部抜き取られていた、そんな気分。やっぱりな、でもちょっと期待
しちゃったよ、てなもんか。
そりゃ前と同じ事してたら作家として世話ないけれど、「学園祭の悪魔」と比べるなら
キャラで圧倒的にスタート地点からして負けてるんで。剛士は読者の代弁者になるには
荷が重いってなもんです。それでいて、安藤君と剛士の未来なら剛士の方が安易に
想像がつく。安藤君は生きてるのかも危ういし塀の中入ってるかもしれないし
中南米にでも移住してるのかもしれないけど、(いや、人としておかしいのは重々承知^^;)
要はキャラクターとしての器の違いだろう。

「さよなら、浦賀」とは言わない。続編を心待ちにしております。