すべてが猫になる

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輝く断片/Bright Segment (ねこ4.4匹)

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シオドア・スタージョン著。河出書房新社  奇想コレクション

スタージョン傑作短編集第二弾という事で、「週刊文春ミステリーベスト10」第3位、
2006年度「このミステリーがすごい!」第4位、「ミステリチャンネル『闘うベストテン2005』
第2位、さらに本書収録の『ニュースの時間です』で第36回青雲賞受賞。帯そのまま写して
すいませんが、こういった輝かしい経歴とファンの愛に包まれた作品集ということで。
はい、わたしスタージョンこれがお初です。
今から皆様、数行だけ耳栓のご用意を。。。(いや、グラサンか)

ぐわああ!!スタージョン!!!スタージョン!!!!スタージョ~~~~~ン!!!!!!!
ファンタスティック!!エキセントリック!!!びゅ~~~てぃふぉ~~~~!!

……げほっ。ごほっっ。あ、失礼をば。歳なのに叫ぶと咽せますね、けほけほ。
beckさんに先に第1弾読んだ方がいいよ~~、と
アドバイスを頂いたにも関わらず我慢出来ないまま読んじゃいましたが、ふはは、私これで
十二分の衝撃を受けました!ノープロブレム!!
なんだこの摩訶不思議な世界は??不明瞭で、おかしくて、粒はバラバラなのに最後に並べると
やっぱり同じ地に並んでる、一貫してんだかなんなんだか。奇想の猟奇乱舞。勝手に到達して
どこか高ーい視点へ行ってしまう、無重力と地に咲く花、ああもう自分が何言ってんだか
わかりゃしない。

お気に入りは『取り替え子』。もう最初の2、3ページでノックアウトだわ。悲哀と底辺の
愛情、発想からしてとんでもない。凄いもん読んだ。
でも好みは『マエストロを殺せ』。この結末は意外、なんてもんじゃない。
これはもう「突飛」だろう。突き抜けてる。自分には見えないものが見えてるんじゃないだろうか。
ある意味自分にはショッキングな作品だった。
でも一番好きなのは『ルウェリンの犯罪』。この作家は底辺を描くのがお得意なのだろうか?
単なるミステリなら「やりきれません」「読後感悪いです」なんていくらでも書いてもみせるが
こんなもん共感出来る出来ないレベルではないだろう。紙の上の出来事だが、今この地のどこかで
彼女のほにゃららが発見されてるんじゃないだろうかなんて、自分もどうかしてる。
フィクションはこれだから面白い。

挙げなかった作品でも気に入ったものはあったのだが(『ニュースの時間です』のラストとかね)
挙げた作品が強烈すぎた。後は読んで下さい。

こういう本を読むと「もうしばらく何も読まね」と悟りきった気分にもなるんですが
(読んでるけど)、SFで面白い本ご存知でしたら(海外ね)ふるってご応募くださいまし^^v