すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

各務原氏の逆説 (ねこ3.5匹)

イメージ 1

氷川透著。徳間書店トクマ・ノベルス。


秀青高校軽音部の部室で、ピアノとサックスを担当する滝祥子が首吊り死体で発見された!
ほぼ自殺として処理されかけていたが、首吊りの踏み台に命より大事なピアノが使われていた事に
不審を感じた部員達は、独自で祥子の死の真相を調査する。
困った時に「ぼく」が頼るのは、チェスタトンばりの逆説で周りをケムにまく、
用務員の各務原氏だったー。
シリーズ第1弾。



なんだこの表紙は!!!内容の雰囲気と合ってないだろ!!(▼▼メ)
そしていきなり章ごとの引用文はミスチルかよ!!うんうん、「HERO」の歌詞はいいよね……
って、このストーリーにミスチル関係ないだろ!!!(▼▼メ)
しかも探偵役の各務原氏が表紙では影だけとは扱いが酷くないか!?
しかも逆説くどくないか?これって逆説なのか?ブラウン神父に謝らなくて大丈夫か??


さあさあ、最近めっきり大好きな氷川さんの当たり本と遭遇できず、はなっから
おかんむりのゆきあやですが。陳腐な展開、各務原氏の押し付けがましい個性に鼻をつまみつつ、
なんとかクライマックスへ。
あれ?面白いぞ?
なんだ、心配して損した。お得意の論理に次ぐ論理が冴えてるじゃないの。よしよし、
ちょっと待って、最初の罵詈雑言撤回するから。(でも消さないのであった)

実はこの作品、登場人物紹介にちょっとした仕掛けがあって、なかなか子憎たらしい演出が。
今回はちゃんと狙いが狙い通りに決まったかな?
しかし、「逆説」というには「屁理屈」の域を出てないかなー、こういう作風で続編も来るなら
演出過剰かな、と思わなくもない。

氷川氏が敬愛するチェスタトンへのリスペクト作品と標榜している模様ですが、読んだ者としては
「いやいやいや。これはミスチルだろ」と苦笑するのがせいぜいでしたとさ。