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どんどん橋、落ちた (ねこ4.2匹)

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綾辻行人著。講談社文庫。


ミステリ作家・綾辻行人に持ち込まれる“問題”はひと筋縄ではいかないものばかり。崩落して誰も渡れなくなった〈どんどん橋〉の向こう側で、燃える〈ぼうぼう森〉の中で、明るく平和だったはずのあの一家で……勃発する難事件の”犯人”は誰か? 超絶技巧がちりばめられた五つの超難問に挑め! (裏表紙引用)



(2019.4.5 再読書き直し)

「どんどん橋、落ちた」
ミステリ作家綾辻のところを大晦日に訪ねてきた青年、U君。彼が持参した次作の犯人当て小説に綾辻が挑む。アンフェアではないけれど好き嫌い分かれそうな。フェアプレイを明言したこだわりの内容なので、遊びの精神満載。


「ぼうぼう森、燃えた」
1作目と同じ仕掛けはもはや通用しない、犯人当て小説の2作目。問題編は前作を踏襲した進化系とも言えるので前作ありきの作品。

フェラーリは見ていた」
U山さんの家の隣の村の葛西さんちのシンちゃんは○だった…という作品。この作品集自体がズッコケみたいなものだからアリかな。

「伊園家の崩壊」
伊園家の当主の妻が突然発狂し、商店街で刃物を振り回し数人の死傷者を出した――。それに端を発した一家の崩壊。綾辻の知人・井坂が持ち込んだ実話小説の謎を解け。
猫殺し、密室殺人となかなかの力作で正統派のミステリ小説。だが、井坂さんの住む世界は時間の進み方が違うらしい――これいる?^^;と思えるような設定もあり。

「意外な犯人」
こんなタイトルをつけたら誰にとっても意外じゃないと厳しい。凄い自信だと思う。確かに意外であり、初読から10年以上経ってもこの犯人は忘れていないので凄かったのだなと。今でこそあちこちで見るけどね。