すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

イマジン?  (ねこ3.5匹)

有川ひろ著。幻冬舎文庫

「朝五時。渋谷、宮益坂上」。 その9文字が、良井良助の人生を劇的に変えた。飛び込んだのは映像業界。物語と現実を繫げる魔法の世界にして、ありとあらゆる困難が押し寄せるシビアな現場。だがそこにいたのは、どんなトラブルも無理難題も、情熱×想像力で解決するプロフェッショナル達だった! 有川ひろが紡ぐ、底抜けにパワフルなお仕事小説。(裏表紙引用)
 
有川さんの文庫新刊は、映像業界で成長していく青年たちを描いた爽やかお仕事ストーリー。私も映画やドラマは観るほうなので映像の世界の常識や裏話など色々と興味深い内容だった。主人公のイーくんはよく気が付くよく走る元気でかわいい好青年だし、先輩や社長も強面ながら情に厚く生き生きと描かれている。出てくる女優さんや俳優さん、セカンドの幸や金庫番の今川などなどもそれぞれ分かりやすく出来る人で、キャラが立っていて良かった。
 
※以下、歪んだ人間の感想です。
 
 
 
 
 
ただねえ。。
有川さん、イタイわ~。。。。
1作目のモデルは自作の「空飛ぶ広報室」なのだろうけど、クライマックスの感動シーンで「自衛隊のエライ人からもらった、最高の賛辞」使っちゃったよ。。。すいませんが、「何の自慢?お世辞ってご存知?」って最悪なこと思ってしまった。「植物図鑑」をモデルにした4作目だってそう。「原作と映像化のキャストがイメージと違っても、それを本人や応援してる人の目の届くところに書かないで、だって現場はこんなに頑張っているんです、いやなら黙って観ないで」だもんね。。例の騒動の時の主張もコレも、おっしゃるとおりの正論ですべてが間違っているとは思わないんだけどね。時代を読めてないのかなあ、自作で説教するようになったかあ、残念。。
「ピンチを救うため、酔ったふりした女性スタッフがイーくんに熱烈キス、その機転を褒める仲間(両思いだからいいものの、違ったら?これ男女逆だったらって考えた?)」「寒空にアイスを買ってきたイーくんをバカだアホだといじって現場があったまる(中学生の部活か?)」こんな感じじゃないと円滑に仕事が回らないなんてやっぱちょっとこの業界の人ってズレてるのでは。。
 
作者が「悪」と分かっていて描くものと(パワハラセクハラの描写など)、おかしいことをおかしいと自覚せずに描いている場合とは受ける印象が違う。
 
ちょっと他にいないぐらい面白い作品を描く作家さんなので、もしそれがそういう描写あってのものだったとすれば、、、思うところあって素直に楽しみきれなかった。みんな絶賛だし、めちゃくちゃ面白い読ませる作品なのは間違いないのだけどね。