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QED ~ortus~ 白山の頻闇  (ねこ3.7匹)

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高田崇史著。講談社文庫。

聖地白山を流れる手取川で発見された不可解な首なし死体。棚旗奈々と桑原崇は、全国三千社を数える白山神社総本宮・白山比咩神社を訪れ、殺人事件に巻き込まれる。崇が白山信仰の本質を解き明かすとき、犯人の意図も白日の下に。大学生の奈々が崇の博覧強記ぶりを目の当たりにする「江戸の弥生闇」も収録。(裏表紙引用)
 
QEDシリーズ第20弾。今度はortusか。。色々とまあ。中編2作収録。
 
しれっとシリーズ再開してる割に変化らしい変化がないというか、奈々ちゃんとタタルになんの進展もないというか…。沙織はすっかり結婚2年目だというのに。で、今回は沙織の嫁ぎ先である金沢へタタルと一緒に出かける奈々ちゃん。相変わらず白山比咩神社やらなんやらタタルの行きたいところへ連れ回される。そこで菊理媛神の秘密やら白山信仰の本質やら様々な薀蓄を披露。今回なかなか頭に入ってこない…。なんか中編で短いって分かっているので、読むほうに力が入らないというか…まあ言い訳。首が切断された死体が発見されたり、それに沙織の旦那が関係していたりと色々カオス状態に。事件と歴史が噛み合っていないという苦情?に対応したのかもしれないが、噛み合うってそういうことではない気がする…。しかし沙織ちゃんは今後大丈夫なのだろうか。姉妹愛は良かったけど。ホテル取り損なった、って絶対ウソだよねえ。
 
もう一つの「江戸の弥生闇」のほうがスラスラ読めたかな。先日、花魁をテーマにした三津田さんの小説を読んだばかりなので、復習になった。あちらにない情報もあったり、より残酷であったりと読んでいてダメージもでかいが。。一話目もそうだったけど、昔の人間の残酷さ、愚かさには反吐が出るね。。ほんと、お賽銭入れて自分の願いごとをする、なんていう行為がいかにズレているかが分かる。殺人事件のほうは付け足しみたいなものだったが…。タタルと奈々ちゃんの出会いのお話でもあるのだが、タタル今と全然変わってない。。