すべてが猫になる

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フォグ・ハイダ  (ねこ3.8匹)

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森博嗣著。中公文庫。

山の中で盗賊に襲われたゼンは、用心棒らしき侍と剣を交える。強い。おそらく、勝てない―歴然たる力の差を感じながらも辛うじてその場を凌いだゼン。彼を戦慄させた凄腕の剣士には、やむにやまれぬ事情があった。「守るべきもの」は足枷か、それとも…。(裏表紙引用)
 
ヴォイド・シェイパシリーズ第4弾。あと1作で終わりか…。
 
今回のゼンは、自分を襲ってきた二人組の盗賊の一人を斬ったことにより様々な陰謀や急襲に巻き込まれる。自分より強いキクラやヒメジと相対し、和尚や医者とも語らい色々と人生や剣の道を深めていこうとする。。。守るべきもの(妻子)があることにより強くなる、というのは弱いからでは?という自問や正義というものは立場や見方によって変わるものだということが印象に残った。盗賊についての正義は、自分は和尚の言葉のほうを正しいと思ったが…。侍たちの、言っても全然話が通じないところなんかも愚かすぎると思うし。現代から見れば、主人公でありカッコイイヒーロー然としたゼンだって犯罪者だもんねえ。それ言ったら時代物読めないけど。
 
さて、最終巻でゼンはどういう答えを導くのかな。こういうのって答えがないものだと思うので、どう折り合いをつけるか、ってところかな。ノギさんと夫婦に…は、さすがにないか。