すべてが猫になる

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最後の一球  (ねこ3.7匹)

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島田荘司著。文春文庫。

母親の自殺未遂の理由が知りたい―青年の相談に、御手洗潔はそれが悪徳金融業者からの巨額の借金であることを突き止める。裁判に訴えても敗訴は必至。さすがの御手洗も頭を抱えたが、後日、奇跡のような成り行きで借金は消滅。それは一人の天才打者と、生涯二流で終わった投手との熱い絆の賜物だった。(裏表紙引用)
 
御手洗潔シリーズ第25弾。
 
300ページ弱の長編。
御手洗さんと石岡くんがキャッキャする出だしが一番盛り上がっていた気がする。お好み焼きで美容院代をごまかそうとするおばさんやカレーライスうんぬんと書かれた謎の遺言状などなど、ドタバタすぎるプロローグ。。野球に人生を賭けたある青年の半生が始まるまでとの落差よ。。野球には全く興味がないので青年がプロを目指すまでの記録は読んでいてキツかったが、そこから冒頭の自殺未遂、悪徳金融の話とどう繋がるのか。やはりトンデモな真相が待っていて面白かったが、時代を感じるなあ。こういう犯罪がまかり通っていたんだよね、昔は。
 
しかし、御手洗さんが全然推理するとこ見せてくれなかったのが残念。彼は気づいていたってことだけど、小説としては丸々「告白」で締められてるんだからねえ。