すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

頭蓋骨の中の楽園 (ねこ3.7匹)

浦賀和宏著。講談社ノベルス。←うっかり「のべする」、と打ってしまったら、
「ノベする」と変換。。。そんな言葉あるのだろうか。。。ノベする??何するんだろう?(小ネタ)


安藤直樹シリーズです。
すいません、もうなんだかコレが第何弾なのかわからなくなってきました。。。
「記憶の果て」しか記事にはしなかったんですが、
「時の鳥籠」→「とらわれびと」→本書、の順で読んでます。これでいいのでしょうか?


連続首斬り殺人、というミステリ界の王道設定です。
「笑わない名探偵」って、安藤君のことですね。そして、「驚愕の世界の謎!」ときました。

「記憶の果て」以降、安藤直樹シリーズと銘打ちながら、当の安藤君の登場があまりにも
微少だったので本書には満足です。「記憶の果て」での彼とは印象が違うので
戸惑いましたが。。
その安藤君、周りの登場人物達に変わり者扱いされ、あげく何が楽しくて生きてるのかとまで
評され、それでも「気になる存在」なわけです。「記憶の果て」で提示された大きな謎自体は
恐らくシリーズ最終まで明かされないのでしょうが、安藤君の過去自体は読者はもう
了解しているので、そんなに周りのキャラ達に秘匿しなくても良い気がしましたが。


内容はといえば、初めて本格ミステリの形態をとってまともなストーリー(初の)かと
思いきや。とんでもないですな。
変態とか言われてますし。。天使がどうだっていうんでしょう。。脳が、脳があああ~~~、
ととても平静を保っては読めたもんじゃありませんでしたよ。

そして、今まで「無機質」な世界、だと思っていた自分の主観が本書で一変しました。

安藤直樹。
なんて「印象の薄い生命力のないキャラクター」なんだ、と思っていたのは、それで
正解だったのかも。

だけど、彼をそう称して呼ぶには余りにも生身すぎる。
彼が、「裕子」に対して吐き出した最後のセリフこそ安藤語録に加えて欲しい。