講談社文庫。
チョーモンインシリーズ初の短編集でございます。
時系列で言うと、3人の初めての出会い、そして事件が掲載されておりますので
本来のこのシリーズの第一弾は本作といっても良いのではないでしょうか。
なるほどねー、こういう出会い方でしたか。。保科さんお気の毒に^^;。
全編、タイトル通りのサイキックによる密室殺人を扱った物語です。
ドアチェーン(及びストッパー)がかかっているというのも、ほぼ共通してますね。
そしてもちろん室内にはおあつらえむきの死体が。
短編集で、ここまで駄作のないものは珍しいと思います。
「カンチョウキ」導入により、「サイコキネシスが何回、どの方向へ使われたか」が
判明しているというこの設定がいかに物語上有効化しているかがよくわかるのです。
本来、探偵が推理するべき要素が最初にクリアされてる分、無駄な「誤道」がない。
そして、全ての犯罪がサイキックによる密室づくりを必然としている。
素晴らしい。
キャラの方ですが。
能解警部の一人称で描かれた物語が多いので興味深いです。意外と女性的というか、ウブというか、ちゃんと保科さんの事を愛しているのだねえ、と
ほほえましく読めます。
嗣子ちゃんですが、読めば読む程わけがわからん妄想キャラなんですけど、
この子、実は頭はいいんじゃないですかね。事件を解決には導かないですけど、
要点のまとまった質問、筋の通った会話。言葉使いさえ普通にしていれば
至極まともな頭のいいお嬢さんだと思うのですが。。。
嗣子ちゃん、私にも鮭チャーハンを作ってください。
でも、布団は持ってくるな(笑)。