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歌おう、感電するほどの喜びを!/I Sing the Body Electric! (ねこ3.8匹)

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レイ・ブラッドベリ著。伊藤典夫訳。ハヤカワ文庫。

 

ぼくたちは覚えている、おばあさんが生まれたあの日のことを―母さんが死んで悲しみにくれるわが家に、ある日“電子おばあさん”がやってきた。ぼくたちとおばあさんが過ごした輝ける愛に満ちた日々を描いた表題作、ヘミングウェイにオマージュを捧げた「キリマンジャロ・マシーン」など叙情SFの巨匠がおくる幻想味溢れる全18篇を収録。『キリマンジャロ・マシーン』+『歌おう、感電するほどの喜びを!』合本版。(裏表紙引用)

 


久々にブラッドベリを。さっきようよう読み終わったのだが(18編収録、約550ページ、文庫のくせに1500円以上(`Δ´))、さっさと記事にしておかないと書く気なくなりそうなのでサクっと。
収録作はキリマンジャロ・マシーン」「お邸炎上」「明日の子供」「女」「霊感雌鶏モーテル」「ゲティスバーグの風下に」「われら川辺につどう」「冷たい風、暖かい風」「夜のコレクト・コール」「新幽霊屋敷」「歌おう、感電するほどの喜びを!」「お墓の引越し」「ニコラス・ニックルビーの友はわが友」「大力」「ロールシャッハのシャツを着た男」「ヘンリー九世」「火星の失われた都」「救世主アポロ」。

 

幻想的なSF作品と、リアルで扇情的な作品に分かれている感。ラストなんて詩だし。おそらく人気も高く出来が良く、自分も気に入ったのはまず「お邸炎上」IRA隊員が大邸宅を燃やそうと計画するも、邸の主人に見つかる。その後の展開のユーモラスさに目が点。ドタバタと主人に振り回されてからのオチの見事さよ。

 

視覚的想像力を必要とするが発想が面白い「明日の子供」の不気味さが好み。異次元の子供って^^;青いピラミッド姿の赤ちゃんがなんだか萌える。表題作の、楽しさと悲しさのコントラストもお気に入り。私が小学生のころ、給食の時間にかかっていたコンピューターおばあちゃんの元になった作品だと書いてあったのでかなりビビった。歌詞は♪コンピューターおばあちゃん♪しか記憶にないけど。機械のハウスメイドというと本来心がなく冷たいイメージのはずなのに、情を感じさせる。


まあ正直良くわからない作品や読み終わってもう既に忘れてしまった作品さえあるのだが、挙げた作品を読めただけでも価値あったかな。