高田崇史著。講談社文庫。
クリスマスに、不思議な事件が発生!大伴黒主の歌が、ダイイング・メッセージとなった事件を解明する「鏡影」。バーでカクテルを傾けながら謎を解き、相談者の心も溶かす「K's BAR STORY」。調律を誤ったオルゴールの音色が、琴線に触れ、宿泊客の人生さえ変えてしまう「オルゴールの恋唄」など、珠玉の短編集。(裏表紙引用)
違うんだって、クリスマスに読んでたんだって^^;3日ずれるくらいならまだ真夏に読んだほうがカッコがついた。。去年クリスマスに読み損ねたから文庫化を機会に今年こそはと思ったのに^^;
とは言いつつ。。。これ、クリスマス短編集かぁ??珠玉の短編集かぁぁ?単に事件の起きた日がクリスマスだっただけのような。。事件にしても、どうせクリスマスを謳うなら「枕元に置いていた靴下が翌朝腹巻になっていた!」とか「飾りつけたツリーがイヴの翌朝松の木になっていた!」とかさあ。。。
一編目はシリーズものなのかなんだか知らないけど、QEDみたいな薀蓄祭りだし。。
二編目から急にバーミステリ+ハートウォーミング系になるし。。って、ここまで心に響かない人間ドラマも珍しい。
そして四編目からの「迷人対怪探偵」シリーズもこれまた酷い。お父さんが書いたしょうもない明智小五郎のパロディを息子が延々と二編も読まされ笑えないオチ。
その後の「オルゴールの恋唄」と「茜色の風が吹く街で」だけがまともに読めた。前者はオルゴールに絡んだ人々たちの多重視点の物語で、さまざまなドラマと共にお話がまとまっていく形。後者は中学生時代の淡い恋と友情の思い出。こっちがなかなか良かったな。この二編がないとかなりやばいのでは。
美点は、読みやすいこと。別にバラバラなのはバラエティに富んでいる、飽きないという長所に繋がるからいいんだけど、高田さんの他短編集の楽しさを知っているだけに出来に関してはちょっと残念な読書になりました。
(383P/読書所要時間2:30)