すべてが猫になる

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太陽の塔  (ねこ4.2匹)

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森見登美彦著。新潮社。


私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人が
できた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!
クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を
経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
(あらすじ引用)



ぎゃは、ぎゃはは、ぎゃはははは~~~
わははは。ひぃぃぃ。この本、めちゃくちゃ可笑しい~~(^^;)笑いすぎて死ぬ~~;;


と、言う事で。先日読んだ「夜は短し~」と並んでゆきあやのお気に入りの本となりました^^
とにかく、内容というより文章が面白すぎて。。。
主人公がストーカーでナルシストというすさまじい設定なのですが、この主人公の妄想と
同じくらい絶望的な友人達の絡みと会話が強烈なのです。
特に好きなのが飾磨という友人の演説、ライバルである遠藤とのゴ○ブリ戦争(ぎゃははは~
送りつけるなそんなもの!しかも同じ手にひっかかるな森本!)、森本(主人公ね)が
遠藤に宛てた長文の手紙です。あ~ははは。いやあ、まだおかしい^^;;
この作家さんのとぼけ加減、おいらかなりツボかも。

で、多くの読者を引かせてしまったと噂の内容の事なんですが。

ほんの少し、なんとなくだけど、共感出来なくもない。
10代後半~20代前半までのおいらは、結構世の中を斜に構えて見ているところがあって、
「クリスマスなんてくだらない」「花火大会のカップルうざい」なんて事も考えておりましたもの。
それが恋人がいる、いないは関係なかったんですけど、自分自身恋人とクリスマスデートとか
着物姿で初詣とかそういう定番のイベントには全く参加したくないタイプだったのですよね。
今となっては失ってしまった青春を取り戻すべく積極的に今後はそういう「浮かれカップル」と
いふものを実践する気まんまんですが^^
それとは直接関係ないけど、振られても振られても雑草のごとく立ち直って来た自分だから、
温かい目で森本君を見つめてしまいました。
まあ、彼は社会に出てもこのままの路線な気がしますが^^;

水尾さんと太陽の塔について、もう少し知りたい事があったなあ。
彼女はこのお話にほとんど出ては来なかったからどういう女性だったのか掴めないままだったけど、
あの日、万博で太陽の塔に出逢った彼女には何が見えたんだろうね。