すべてが猫になる

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殺意の集う夜 (ねこ2.5匹)

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講談社文庫。

↓もしかしたらほんのりネタばれ。犯人名なし。


大学生の万理は、友人、園子と共に教授の別荘へ嵐の中向かうことになった。しかし到着した山荘には教授はおらず、変わりに見知らぬ青年が。そして次々と嵐で立ち往生した人々が来訪する。そしてー。

ーーーというストーリーですが、冒頭からいきなり「彼ら全員を不可抗力で殺してしまった万理、しかも頼みの綱の園子までもが殺されていてーーという状況から始まります。


SFではないのですが、もうこれはSFだろ!というくらいのありえない設定。ばかばかしすぎて
かえって面白い。どんな状況が重なれば6人もの人間を全員「うっかり」殺すんだい。
まず登場人物がはちゃめちゃで倫理観なし。この時点で怒り心頭でしたが、まあこういう設定に
したのなら人物はこうでないと、つじつまが合わない。(いや、倫理観で語るなら合ってないんだけども)

読後感想。

すべて、理屈は合ってる。アンフェアだと最初思ったところも、帯の文句からすれば「こういう手法」
が確立してないこともないんでしょう。
でも、なんというか、、、しつこいけど、構成が悪いのか?考えすぎるのはトリックだけでいいんじゃないかなあと思った。二重構成にするのはいい。でも、それならもうこれでいいと思うんだけど。

登場人物が山荘に集まった動機とか、くだらなくてかえって新鮮だったし、、、読者が「これは実はこうだな」と読むであろうトリックの一歩上を行ってた気もする。

トリック、ストーリーはそのままで、もっとシンプルにしていればいいものになったと思って
しまったのがすごく残念。
余談ですが、これを読んで折○氏ってやっぱり上手なんだなと再確認してしまった。西澤さんごめん。