すべてが猫になる

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ロシア紅茶の謎 (ねこ3.9匹)

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講談社文庫。

短編集です。おなじみ、エラリー・クイーンの国名シリーズに倣ったやつの第一弾。

しょっぱなから脱線?しますが、このシリーズ、長編だったり短編集だったりするんですよねえ。
どうせならどっちかに統一して欲しかったんですけど。。。クイーンの国名シリーズは全て長編なので、というしょうもない理由ですが。。。
まあそれはさておき。

「動物園の暗号」
こりゃまたすごい発想をしますね火村さん。たまに脱線するので「イラッ」としましたが(たぶん笑うところなんでしょうけど)動物名からそこに行きますか。。。個人的に暗号ものは苦手なのでこれはパス。とりあえずオチが良かった。

「屋根裏の散歩者」
某超有名作品と同じタイトルにするとは自信満々ですな。
いや、これ、理論でいくと「おお~」てなるんですけど、現実問題、どうだろう?うまくいくかな?

「赤い稲妻」
これ好きです。
イヤリングの推理は見事でした。許しがたい犯人に本気で怒る火村さんの人柄がうかがえる。

「ルーンの導き」
これも苦手なタイプなんですけど、かなり面白かった。最後の一行、拍手ものです。

「ロシア紅茶の謎」
うーん、よく考えられてます。動機に助けられたトリックかも、と思いましたが。
それよりも、火村さんの過去が気になる!!!どんな恋愛をしてきたんだろう。。。

八角形の罠」
八角館の殺人』というアリスの小説が舞台化されたというものです(ぱちぱち)
某アノ作品を意識してますねー。内容は全然違いますが。わりと正統派な作品。


全体的には良い作品集でした。
目立った駄作もなく、火村&アリスの魅力満載です。短編ながらも、有栖川氏の作品はいつもちゃんと
人間を描いていますね。「クスリと笑わせる、驚かせる、考えさせる、憂いを持たせる」いろんな終わり方があるものです。