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女が死んでいる  (ねこ3.2匹)

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貫井徳郎著。角川文庫。

 

二日酔いで目覚めた朝、寝室の床に見覚えのない女の死体があった。玄関には鍵がかかっている。まさか、俺が!?手帳に書かれた住所と名前を頼りに、女の正体と犯人の手掛かりを探すが―。(「女が死んでいる」)恋人に振られた日、声をかけられた男と愛人契約を結んだ麻紗美。偽名で接する彼の正体を暴いたが、逆に「義理の息子に殺される」と相談され―。(「憎悪」)表題作他7篇を収録した、どんでん返しの鮮やかな短篇集。 (裏表紙引用)

 



貫井さんの、未収録作品集。描かれた年代がバラバラで、古いものでは1997年ものも数作。寄せ集めという感じではなく、「どんでん返し」をテーマにしている作品ばかり。実は図書館で取り寄せしたら、くだんのライセンス藤原写真集(表題作1作しか入ってないやつ)とコラボした本が来てしまった。一応それもパラパラ見たが…。意味不明すぎて白目。藤原さんは作品に登場する主人公のビジュアルとしては申し訳ないが再現できているとはとても言えないルックスだし、突っ込めるほどブサイクってほどでもないし。本当に心の底から意味がわからんビジュアルブック。まあそれで本屋で見たやつと違うな、と思って文庫を手に入れたわけだけど~。

 

朝起きたら部屋で知らない女が死んでいた「女が死んでいる」、青酸カリを飲まされ殺された男性を殺したのは被害者に夫を殺された妻なのか?「殺意のかたち」、ホームレスが住み着いたせいで客離れしてしまった蕎麦屋と喫茶店の店主がホームレスを殺害する二重露出、有名デザイナーの夫が義理の息子に殺されると愛人に告白する「憎悪」、夫の浮気相手を着信履歴の名前だけで見当つけて殺しに行く「殺人は難しい」などなど、バラエティに富んだ作品集。

 

確かにどれも騙されたし、サクサクと読める面白さではある。でも作風のせいか、どれも軽いんだよな~。「こんな理由で殺す奴いてへんやろ」と思ってしまうものが多くて、ストーリーには入り込めない。技巧だけを味わうにはいいかもしれないが。。うーん。ビジュアルブックを先に読んだ人、こっちは未収録作品集なのか、とわざわざこれも読まなくてもいいんじゃないかな。。。と、特定の誰かに言ってみる。