すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

透明カメレオン  (ねこ4匹)

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ラジオのパーソナリティの恭太郎は、冴えない容姿と“特殊”な声の持ち主。今夜も、いきつけのバー「if」で仲間たちと過ごすだけの毎日を、楽しくて面白おかしい話につくり変えてリスナーに届ける。恭太郎が「if」で不審な音を耳にしたある雨の日、びしょ濡れの美女が店に迷い込んできた。ひょんなことから彼女の企てた殺害計画に参加することになる彼らだが―。陽気な物語に隠された、優しい嘘。驚きと感動のラストが心ふるわす―。(紹介文引用)

 


道尾さんの最新刊。

 

ラジオのパーソナリティが主人公ということで、また道尾さんの新たな挑戦。章ごとに恭太郎の名物トークが挿入されているのが特徴。恭太郎は声は素晴らしく魅力的だが、ちんちくりんで女性とは縁がないと自虐する容姿。だが行きつけのバー「if」の常連たちにはその人柄で好かれている模様。毎晩楽しく談笑している彼らの店に、ある日びしょ濡れの女性(ケイ)が訪ねてくる。女性は「コースター」と謎の言葉を残し去って行くが、また再訪。そして、恭太郎のファンなのだと打ち明けるが、容姿端麗な常連のレイカと恭太郎を間違えていて・・・という出だし。

 

正直、個人的にこれは合わないな~と思って読んでいた。感想を回ってみて驚いたのだが、この恭太郎に好感を持った読者がほとんどのよう。私はこういうウジウジした決断力のない人めっちゃ苦手なので、とにかくひたすら恭太郎がダメだったなー。

 

あと、話の展開がどうもウソくさくて^^;いくらケイを騙したからって、彼女を思いやってのウソなんだし、そもそも間違ったの自分やん。。。殺害計画とか、普通、だからって協力するか??未遂だとしても、復讐だとしても、やってることは立派に犯罪だと思うんだが。しかも、このケイもあまり魅力のある子とは言えなくて。久々こりゃミッチーでハズしたかなと思ったが。まあでも、こういう系統では「カラスの親指」という傑作も出しているしね。

 

自分の感情が動いたのは、バー常連のみんなの隠された真実が明かされてからかな。全員そんな凄い経験してるってことあるか?そういう人が同じ店に集まるってこと、もっとあるか??とは思ったが^^;。一応、彼らが動くことの説明づけにはなっていたなー。恭太郎にも秘密があったりして。ちょっとキツイわ。。。

 

印象的だったのは、恭太郎が飼っていた透明のカメレオンの話。ないものをアリにする、それを信じる心。それが恭太郎の、彼らの今のポリシーなんだということが痛いほど伝わって来た。こういう文学的表現のうまさはさすがだな。