フランスに滞在する富豪ルノーが、ゴルフ場で何者かに刺殺された。ポアロが事件を担当することに
なるが、パリ警察の名刑事ジローも捜査を開始する。ふたりは、知恵比べをしながら調査をしてゆく
ことになるが、まもなく富豪殺しと同じ凶器で浮浪者が殺害される事件が発生した。はたして、
両事件に関連はあるのか?(裏表紙引用)
1923年作、クリスティ3作目。名探偵ポアロシリーズ第2弾です。
別にこの書庫の存在を忘れていたわけでも、しろねこさん率いるミステリ学部課題レポートを
うっちゃってたわけでもないからね^^;。(違うんだよ!新装訂文庫高いからそんなさくさく
買えないんだよ!)
再読ですが、私これまっったく内容覚えてませんでした。ちらりとも記憶を呼び覚ますものが
ありませんでした^^;クリスティはたいていの本何度も読んでるつもりだったんですが、どうも
これは当時の自分にお気に召さなかったのかどうか、多分1回しか読んでないな^^;
と、いうわけでまるで初読のごとく感想を述べさせていただきたく。
初期はちゃんとポアロとヘイスティングスがコンビとなって活躍するので、これがスタンダ-ドだと
安心して読めます。まったく記憶にないポアロのライバル(本書にしか登場しなかったっけ?)
ジロー刑事の存在にはちょっとびっくり。ポアロの引き立て役としてとことん間抜けに
『物的証拠』を見つけようと躍起になる彼には同情すらおぼえましょう^^;彼の退場シーンの
哀れなことといったら(^^;)。
ポアロの辞書に謙遜の2文字はない。
『このわたしがまちがっているはずはありません!わたしがまちがってたまるか!
わたしは正しいのだ!』
…………ヘイスティングスとわたし、唖然。。(^^;)
それでも雨が降っていたら自慢のお髭が垂れ下がってしまったり、
親友ヘイスティングスの恋に的確なアドバイスをしたりと、ポアロの優しさとおかしさは
本書でもMAXレベル。ほとんど恋愛小説に株を奪われてしまった感があり、ミステリとしては
かなりツッコミどころがあったけれど^^;(犯人を示す4ヶ条の3と4はおかしいだろ。。)
ヘイスティングスのファンはとりあえず必読、あるいは読まない方がいいかも?
彼の噂の奥さんとのなれそめがこの1冊に凝縮されています^^。
いやあ、それだけでも自分は十分楽しかったよ。
※博文館「リンクスの殺人事件」
※講談社「ゴルフ場の殺人事件」
※新潮文庫「ゴルフ場殺人事件」