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占星術殺人事件 (ねこ5匹)

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講談社文庫。

御手洗潔シリーズ第1弾。


40年前に梅沢家で起きた未解決の怪事件の謎に、御手洗潔と友人の石岡和己が挑む。

物語は手記で始まる。
画家・梅沢平吉の恐ろしい犯罪計画。自分の娘6人の肉体を切り刻み、星座に合わせて
各部を取り、1つのアゾートを完成させようという内容だった。
そして密室で殺された画家。不可解な二つの男女の足跡。やがて一ヶ月後、六人の
娘達が行方不明となりーー。

現代本格推理小説上で一番有名なトリックですかね。

この作品には何の文句もないでしょう。


御手洗潔という奇才の登場の衝撃もさることながら、本作のトリックの破天荒な
完璧さと発想にはただただ感服するのみでした。某少年漫画で先にトリックを知っていたという
憂き目に遭ったものの、それでも十分驚いたものですよ。(というか、
あの素晴らしく恐ろしいトリックは島田荘司のものだったのかーーーー!!!という驚きです)

バラバラ殺人を扱ったミステリというのは数あれど、本作ほどその理由が理に適っている
ものは他にないんじゃないでしょうか。
死体が埋まっている深さ、日本各地にバラバラに離散された理由など、その動機の全てが
最後にかしゃんかしゃんといるべき位置におさまって行く様は、トリックというものの芸術が
見事完成した瞬間に立ち会えたかのようでした。


自分は基本的にストーリーや文章、キャラに重点をおいて評価をするタイプの読者なので、
トリックに対してこんな高得点をつけている作品は実は片方の指ほどもありません。
ただ、ストーリー云々を重視したとて滅多に出さないねこ5匹、それがトリックのみで
迷わず捧げてしまうのを顧みるとやはり自分はミステリが好きなんだなあと
思った次第。(何を今さら)


しかし、再読したのですがトリックや犯人や動機、その過程を知っているので
あまり読む所がなかったかも。

何度読んでもいいなあ、と気に入っている所は、
御手洗さんがさんざんホームズをけなしまくった後に(石岡くんがわなわなしている)
「僕はあの先生が大好きだよ」
と言うこのセリフだったりします。