講談社文庫。
デビュー作です。
高校を舞台とした密室殺人。
早朝の教室、7Rで、担任の大神と、生徒の梶川により発見された
中町圭介の死体。
現場は明らかな密室で、遺書はなぜかコピー。さらに不可解なことは、
教室に48組あったはずの机と椅子が消失していた。
級友であり推理小説マニアである工藤が、その謎に迫る。
章が147まで分断されていて緻密というか変というか独特です。
コンスタントに場面が変わって行くのでめまぐるしいのですが、
高校というこれこそ密閉された空間のみにて進行しているので
そのデメリットがうまく使ったのでしょうか。
たいして展開が進まないし新たな事件も起きないわりに退屈しなかったのは
それが功を奏したのかしら?
本作のトリックはちょっと私は……痛い。ばれる、ばれる。
どんでん返しもとってつけた感が強くて受け入れにくいなあ。納得できないなあ。
せっかく工藤君にも好感持ってたのに、こんな下げられたらがっくりくる。
散文的なものは好きだけど、ただのネガティブ思考って感じがしなくもない。
だからこの人の作品はいつも読後感が悪い。