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教会堂の殺人 ~Game Theory~  (ねこ4匹)

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周木律著。講談社文庫。

訪れた者を次々と死に誘う狂気の館、教会堂。失踪した部下を追い、警察庁キャリアの司は館に足を踏み入れる。そこで待ち受けていたのは、水死・焼死・窒息死などを引き起こす数多の死の罠!司の足跡をたどり、妹の百合子もまた館に向かう。死のゲームと、天才数学者が求める極限の問いに、唯一解はあるのか!?(裏表紙引用)
 
シリーズ第5弾~。
 
前作で衝撃の展開を見せたこのシリーズ、本作でさらなる衝撃、衝撃、衝撃のバーゲンセール。「伽藍堂」のキャラクターたちが次々と教会堂という謎の館へ赴き、行方不明になる展開。ここにはもう通常の本格推理のスタイルはなく、ただただシリーズを通してのテーマとなる「真理」「リーマン予想」を追求していく物語となっている。次々とおなじみのキャラクターや主要キャラクターがまさかの運命を辿る展開は、今までの本格推理ものには確かになかった。既存作家のスタイルを踏襲していると見せかけてのオリジナル展開にただただ唖然とするばかり。
 
教会堂に登場したある人物にも驚きを隠せなかったが、そのゲームの趣向もかなり好み。映画「CUBE」を思わせる構造、仕掛けがある内部で繰り返される悲劇。人間の良心を利用した悪趣味さに背中がゾっとする。司が用意したダイバーズウォッチはグッジョブだった。百合子や神にまつわる秘密についてだけいやに人間臭いのだけが気になるが…。この部分がもう少し理解不能な域に達していればもっと飛躍する気がする。まあ、最後まで読まないとなんとも。
 
このあたりから好き嫌いが激しく分かれそう。