京極夏彦著。角川文庫。
昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。3体目発見の報せを受けた科学雑誌「稀譚月報」の記者・中禅寺敦子は、薔薇十字探偵社の益田が調査中の模造宝石事件との関連を探るべく現地に向かった。第一発見者の女学生・呉美由紀、妖怪研究家・多々良勝五郎らと共に怪事件の謎に迫るが―。山奥を流れる、美しく澄んだ川で巻き起こった惨劇と悲劇の真相とは。百鬼夜行シリーズ待望の長編!(裏表紙引用)
百鬼夜行シリーズ、あっちゃん版第2弾は角川文庫から。やっぱ角川だとしっくりくるな。
今回のテーマは河童。第一弾でも大活躍した女子高生・美由紀がご学友と「河童」「お尻」について熱く談義するという凄いオープニング。さすがお嬢様、人前で「お尻」が言えずきゃあきゃあ。だんだんお尻どころじゃないお下劣な方向に話が進んで行ってるけど。
そしてあっちゃんに調査を依頼してきたのが薔薇十字探偵社の探偵助手、益田。こんな人いたっけ。なかなかのお調子者で皆からの扱いひどいけど。要はあっちゃん、京極堂やえのさんが扱うほどではない事件の担当になっちゃってるな。河童問題で、途中からくだんの多々良先生登場するし。てかゲストのくせに目立ちすぎてて全部この人が持って行ってしまった気がするよ。。京極ファンにとっての癒しではあるけれど、多々良センセイ。そんなこんなで河童にキャッキャ喜ぶ多々良先生、偽造宝石事件、お尻を出した連続水死体事件、男性限定で風呂や雪隠を除く男などなど、その全てが繋がるラストは痛快ですな。宝石事件の登場人物が多すぎて、さらに名前以外それほど個性の差もないのでややこしくて誰が誰だか分からんくなった。。まあ、分かるけど。。
そしてやっぱり最後に説教するのは美由紀ちゃん。最近あっちゃんこの子に喰われてるけど大丈夫かな。