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QED 東照宮の怨  (ねこ3.8匹)

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高田崇史著。講談社文庫。

三十六歌仙絵」を狙った連続強盗殺人事件が発生。不可解な事件の手がかりは意外にも日光東照宮にあった。「陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神」「北斗七星」。桑原崇が東照宮に鏤められた謎を解き明かした時、天海僧正が仕掛けた巨大な「深秘」が時空を超えて浮かび上がる。好調シリーズ第4弾。(裏表紙引用)
 
 
多分第3弾を読んだのは2006年ぐらい。ははは。最近毒草師ものなどを読んで面白かったのでこっちの放置してるシリーズを再開する気になった。懐かしいなあ、タタルに奈々ちゃん。小松崎ってレギュラー?
 
今回のテーマはタイトル通り東照宮。社員旅行みたいなもので日光に来ていた奈々と、六歌仙事件の絡んだ新たな殺人事件ゴトで日光を訪れていたタタルと小松崎がバッティング。嬉しそうだなあ、奈々ちゃん。。。全力で駆け寄って行っちゃって。このあたりではもう奈々の「想い」みたいなものは確立されちゃってるんだっけ。バラバラにされた歌仙絵と、バラバラにされた被害者はどういう繋がりを持っているのか。被害者の言い残した「かごめ」の意味とは。。
 
薀蓄パートと事件パートの読みやすさの差がすごい。ところで薀蓄と事件が完全に切り離されているのかなと思っていたが(お仲間さん達の最近の記事によると)、この作品に関しては結構東照宮が動機と関係ある。徳川幕府の内部抗争、天海僧正、風水、後水尾天皇などなど、内容の10%ぐらいしか理解してないと思うけどためになるなあ。ほぼサラっとしか読んでないけど。切断の理由なんかはこの犯人でないとこうはならないし、世の中には「誰でも良かった」で無関係な人々を殺す人間もいるが、こういう理由で人を殺す人もいる…のかもしれない。
 
かごめの歌の意味は分かってスッキリだけど、「とおりゃんせ」は?気になる。まあなんにせよすごく面白かった。定期的に読んでいこう。ゆうてもこの時代に重版を重ねてずっと新刊本屋に並んでるんだからすごいよね。この内容で。。