すべてが猫になる

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書店ガール6  (ねこ3.8匹)

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碧野圭著。PHP文芸文庫。 

彩加が取手の駅中書店の店長になってから一年半、ようやく仕事が軌道に乗り始めたと感じていたところ、本社から突然の閉店を告げられる。一方、編集者の伸光は担当作品『鋼と銀の雨が降る』のアニメ化が決定して喜ぶものの、思わぬトラブル続きとなり……。逆境の中で、自分が働く意味、進むべき道について、悩む二人が見出した答えとは。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第六弾。文庫書き下ろし。(裏表紙引用)
 
シリーズ第6弾。
 
今回は彩加と伸光主役回。
 
彩加は張り切っていたエキナカ書店が閉店、人生の岐路に立たされる。ラノベのスターを発掘したりバイトを育てたりと堅実にやってきた彩加の店が、上の意向なんてものであっさりと潰されてしまう。やはり店長であろうとカリスマであろうと、書店員も一介の会社員なのだと思い知るなあ。現場の努力なんて知りもせずに。しかし上には上の、会社を伸ばさなければいけないという責任があるわけで。そのへんの葛藤は読んでいて辛かった。
 
一方の伸光は、自社の作品がアニメ化されてんてこ舞い。忙しくなったり、作者やアニメーターなどの間で揉まれるのは想像つくけれども…。身体壊すほど追い詰められて、そこまで仕事に根を詰めなくても…と読んでいて胸が締め付けられる。好きを仕事にするって大変なこともたくさんあるな。
 
長きにわたるシリーズものとしては、彩加たちの今後を見守って行くのが使命となりつつある。