すべてが猫になる

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書店ガール7  (ねこ4匹)

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碧野圭著。PHP文芸文庫。

中学の読書クラブの顧問として、生徒たちのビブリオバトル開催を手伝う愛奈。故郷の沼津に戻り、ブックカフェの開業に挑む彩加。仙台の歴史ある書店の閉店騒動の渦中にいる理子。そして亜紀は吉祥寺に戻り…。それでも本と本屋が好きだから、四人の「書店ガール」たちは、今日も特別な一冊を手渡し続ける。すべての働く人に送る、書店を舞台としたお仕事エンタテインメント、ついに完結! (裏表紙引用)
 
と、いうわけで面白すぎて一気にラストスパート。いよいよ最終巻。
 
今までの女性登場人物4人が代わる代わる「その後」を紡いで行く。愛奈は司書として、教師として、ビブリオバトルに関わるなど頑張ってる様子。まあ、この子は問題ないだろうということでサラっと。(書店員じゃなくなった愛奈にあんま興味がなくなっちゃった^^;)
 
彩加は駅ナカ書店閉店に伴い、地元で大田とトルコパン兼本屋を経営することに。まあ、第二の人生としては面白いスタートかと。しかし地元の友だちめんどくさいな。勝手に劣等感持たれても。。でも狭い地域でずっと商売していくのなら、そういうのも含めて大事にしていかなきゃいけないんだろうな。私にはムリだ、逃げられない人間関係って。
 
理子の回が1番アツかった。伝統ある櫂文堂書店を守るために、上と下に挟まれて身動き取れないって感じ。「想い」だけで続けられるほど甘くないのが今の書店業界。どっちの言い分も分かるけど、エリアマネージャーとはいえただの会社員の理子に抗う術はないよね。一生懸命動いていたのが理子ではなく沢村の方だった、というのがちょっとね。昔の理子ならもっとがむしゃらだったのかもしれない。でも私の年齢でこれを読むなら理子に1番共感しやすいかな。
 
最後の亜紀の回はすごくページも少なくてあっさり。亜紀はもうおさまるところにおさまってるからねえ。順調そうでなにより。
 
出来れば10巻20巻と続けて欲しかったこのシリーズ。現実にこんな書店員さんいるのか?という疑問はさておき、いやだからこそ、書店という地味な舞台に夢を与えてくれた作品だったと思う。ありがとう書店ガール。