すべてが猫になる

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歌うエスカルゴ  (ねこ4.2匹)

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津原泰水著。ハルキ文庫。

 

編集者の柳楽尚登は突然会社を解雇され、吉祥寺の家族経営の立ち飲み屋で料理人として働くことに…。しかも店の主が引退、長男の「ぐるぐる」に拘るカメラマン・雨野秋彦によって、エスカルゴメインのフレンチの店に改装するという。日本三大うどん、かんたん絶品チーズキツネ、ナポリタンなピザグラタン…。奇才・津原泰水が本気で挑んだ、エンターテインメント料理小説! (裏表紙引用)

 


一部で大ヒットした「エスカルゴ兄弟」の改題本。文庫化楽しみにしてたのに、とっくに出ていたという。。改題したせいで先月まで気付かなかったひどいわひどいわ(八つ当たり)(情弱)(新刊パトロールに津原さん入れてなかった)。ていうか、「エスカルゴ兄弟」の方が内容にも津原さんにも合ってると思うんだけどなあ。


グチはさておき、待った甲斐あってとてもとても面白かった。料理小説って罪深いね、お腹すいてると読むのが辛い。。エスカルゴに興味のない私ですらめちゃくちゃ食べたくなる本場のエスカルゴ料理の数々…これは飯テロだよ飯テロ。食べたことはないけど、アフリカ・マイマイなんかはエスカルゴとは違うのね。貝は好きだからどうせなら本物食べてみたい。エスカルゴじゃないけど、「チーズキツネ」という料理。めっちゃくちゃ美味しそうでヨダレが止まらない。。簡単そうなので絶対作ってみよう。

 

あと、伊勢うどん讃岐うどんロミオとジュリエット対決(?)ね。私は普通に讃岐うどんが好きだけど、この本を読んでると伊勢うどんもひょっとして悪くない?と思うようになった。どっちも好きなほうがいいよねえ。

 

料理だけじゃなく、キャラクターの掛け合いも最高だった。津原さんってこんなにギャグセンスがあるんだ。ぐるぐるカメラマン秋彦と編集者くずれ(ごめん)の尚登の漫才のようなテンポの良さが楽しいし、雑巾料理がおそろしい剛さんや日本人離れした秋彦の妹・梓の存在感たるや。尚登の彼女?桜さんとの文通も微笑ましい。てか文通って。最後ちょっと残念だったなあ。続編あるのかな。あるならいいかな。