すべてが猫になる

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人生相談。  (ねこ3.5匹)

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真梨幸子著。講談社文庫。

 

父が遺してくれた家に、見知らぬ家族が住み着いた。しかも我が物顔で。「居候の女性が出て行ってくれません」。悩める十六歳から大洋新聞の「よろず相談室」に届いた一通の人生相談。掲載された回答から導かれた予想外の悲劇とは。投書される誰にでも起こりうる身近な事件が、大きな殺意に繋がっていく。 (裏表紙引用)

 

 

真梨さんの文庫新刊。

 

大洋新聞に連載されている「よろず相談室」。ここには様々な相談が全国から寄せられる。その相談を章ごとにピックアップし、本筋と絡めていく。そして最後には相談内容であの人だと思っていたのが実はあの人のことで…というパターン。最後にはその回答が載る。

 

「居候の女性が出て行ってくれません」「西城秀樹が好きでたまりません」など、タイトルを見ただけで面白そうな相談が続く。ミステリ的にも凝っているし、最初はなかなか楽しめたのだが――。後半、さすがに凝りすぎたのか、こんがらがって訳が分からなくなった。理解したとしても、「おおすごい!」とはならない気がしてならないが。これから本書に取り組む方は、ぜひ登場人物などをメモすることをオススメする。どんなに気を張って読んでいても多分ほとんどの人はそうしないと分からないレベル。読み物としても、もう少し回答が面白ければなあと思わずにはいられない。