早坂吝著。講談社ノベルス。
「援交探偵」上木らいちの「お客様」藍川刑事は「二匹の蛇」の夢を物心付いた時から見続けていた。一歳の頃、自宅で二匹の蛇に襲われたのが由来のようだと藍川が話したところ、らいちにそのエピソードの矛盾点を指摘される。両親が何かを隠している?意を決して実家に向かった藍川は、両親から蛇にまつわる二つの密室事件を告白された。それが「蛇の夢」へと繋がるのか。らいちも怯む(!?)驚天動地の真相とは? （裏表紙引用）
上木らいちシリーズ第４弾。ほんとにこのシリーズ外れという外れがないな。今回はらいちの援交相手の１人、藍川刑事の身に起きた事件を解決する。藍川刑事には赤子の頃自宅で蛇に腹を噛まれたという過去があった。そのことである疑問を感じた藍川は、両親に事の真相を問い詰める。その話には恐ろしい蛇が絡んだ密室事件が――。
過去を掘り下げるものなのでらいちの出番は少ない。今回は今まで以上に現実性に乏しく笑えるほどだが、本格ミステリというのはソコ真面目に突っ込むところじゃない。さらに下ネタのオンパレードだが推理に必要なので許せてしまう。というかソレがないとらいちシリーズじゃない。専門知識がずらずら披露されるが知らなくても推理に支障はないから解けるはず、と作者に念を押されてしまうという…＾＾；真相は絶対に誰にも想像がつかないようなもので、読後頭がボーっとするぐらいやり過ぎなものを読まされてしまった感。。。いや、好きだけどね。登場人物の名前がヘン（案山子とか蛇女とか）だったり、巨大な蛇の登場を表現するのに拡大文字を使ったりするとこも含めて。ほんと早坂さん、描くの楽しんでるなあ。
