カンタベリーへの道中、同じツアーの参加客が各自、とっておきの不思議な話を披露し合うことに。そこで見え隠れする男と女の接点。疑心暗鬼に陥った時、人は欲望をどこまで自制することができるのか?5つのパワースポットを軸に交錯する幸せと不幸をあぶり出した、イヤミスの臨界点! (裏表紙引用)
真梨さんの文庫新刊。「聖地巡礼」を改題したものなのでご注意を。でも元々はこちらのタイトルだったらしい。
内容は、短編集のような体裁で、全ての作品の登場人物がさりげなく繋がっているというもの。相変わらずのイヤミスぶりで精神をやられる。かつての美女が40代になり典型的な転落人生を歩んでいる姿を追い続ける女とか、親に洗脳され妻が極悪人だと信じ込まされる男とか、キツイなあ。エステティシャンが明かす、エステの実態とか知りたくなかったなあ。それぞれ全く別の人物の別の物語でありながら、どこかで事件と繋がっている仕組みなのがわかる。