すべてが猫になる

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午前零時のサンドリヨン  (ねこ3.7匹)

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ポチこと須川くんが一目惚れしたクラスメイトの女の子、不思議な雰囲気を纏う酉乃初は、凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』で腕を磨く彼女は、学内の謎を抜群のマジックテクニックを駆使して解いていく。それなのに、人間関係には臆病で心を閉ざしがち。須川くんは酉乃との距離を縮められるのか―。“ボーイ・ミーツ・ガール”ミステリの決定版。第19回鮎川哲也賞受賞作。(裏表紙引用)

 

 

初読み相沢さん。シリーズものの第1弾。ずっと読みたいなと思っていたのだけれど、今になってしまった^^;

 

主人公は須川くんこと「ポチ」(なぜポチ^^;)の愛称で親しまれているごく普通の男の子。その須川くんが片思いしているのが、マジシャンでありクラスメイトの酉野初。この初ちゃんのキャラはいわゆるツンデレで、クールでそっけないけれど実はとても繊細。須川くんに謎を解いてと言われてもなかなか動いてくれないのだけれど、最終的にはしっかり関わってくれる。文章は須川くんの視点のみなので、ラノベのように軽く読めるのが良し。

 

内容は、この年代にありがちな「他者と関わりたいけど怖い」「夢を追いたいけど挫折しそう」といった、この年代でしか味わえない大切な悩みをメインにしている。事件の一つ一つはライトなものだけれど、謎解きは丁寧。初のマジックの要素が足りないものを充分補っている感じ。

 

気になったのは、青春時代とは言え、皆人にハッキリ物を言い過ぎかなと^^;あと、女子が人を叩いたり唾を吐きかけたりとか。いくら激情にかられたとは言え、普通するかなあ?自分の高校生時代を思い返してみても、記憶にないんだけど。小学校低学年の頃ならそういうのあったかもしれないけどね。小競り合いとかちょっとした言い合いとかなら。

 

しかし世界観の完成度は高いし雰囲気いいし、気に入ったかな。続編も読む。