すべてが猫になる

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四月の橋  (ねこ3.6匹)

小島正樹著。講談社ノベルス

探偵役は鹿児島弁の抜けない弁護士川路弘太郎。リバーカヤックが趣味のせいか、川では死体に出会い、河口で発見された死体の殺害犯として逮捕された容疑者の弁護を引き受ける。知り合いの女弁護士の父親だったからだ。前作で見事な推理の冴えを披露したカヤック仲間、那珂邦彦の頭脳も借り、家族の秘密や昔のいじめ事件……と複雑な謎を解き、水上の大団円を迎える。日本版『川は静かに流れ』の傑作。(裏表紙引用)


これ、まだ誰も読んでないのか(読む気がないのか)な?(笑)。

でも朗報があるので記しておこう。皆さん喜んで下さい、川路の口グセ「~~っす」が見事に消滅しております!(笑)。よっぽど読者に不評だったんだろうな^^;欠点をすぐ改善する心意気に好感度アップ。で、それぞれのキャラクターもなかなか面白い人増えてるし、ヒロインも魅力的だったし、川路は魅力的とまでは行かないまでも不快でないキャラにまで引き上がったおめでとう。

しかしどうしても、「面白かった、面白かったんだよ、でもこれだけは文句言わせて」なところは変化なし。まずはリバーカヤックが大好きなのはもういいかげんにわかった(笑)。素敵なスポーツなんだろうなというのも理解したいと思う。著者のカヤック写真もカッコイイから載せたいのもわかる。知られていないスポーツだからこそ、細かいところを説明しなければいけないのもわかってあげたい。

が、関係ないから。。。ね。


で、肝心のミステリ部分について。
悪くない。筋も通っているし、ドラマ性もある。が、今まで読者が評価してきた「トリック、ロジックの斬新さ、意外性、本格ミステリならではの高揚」は薄いといわざるを得ない。筋についても、「理解しがたいけどこの人がそう思ったんならそうなんだね」程度の説得力だし、本格ミステリというよりは火サス、いや良く言えば創元推理の女流サスペンス。間違ってもジョン・ハートではない。