すべてが猫になる

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猿来たりなば/Don't Monkey with Murder  (ねこ3.7匹)

エリザベス・フェラーズ著。創元推理文庫

イギリス南部ののどかな自然に囲まれた村、イースト・リート。トビーとジョージは、このロンドンから遠く離れた片田舎に誘拐事件を解決するためにはるばるやってきたのだが、そこでふたりを待ち受けていたのは前代未聞の珍事件、なんと、チンパンジーの誘拐殺害事件だった!イギリス・ミステリ界で半世紀にわたって活躍してきた重鎮エリザベス・フェラーズの傑作本格ミステリ。(裏表紙引用)


多分これも初めて読む女流作家。
うっかりシリーズものの第4弾を買ってしまったぜ。。でも、これが一番有名だよね?

ああ~~~~、やられたなあ^^;って感じ。これはもう、ミステリ読み慣れてる人ほどあっさりやられちゃうと思うし、同時に一番これの凄さをスッと理解出来るのもミステリファンだと思う。チンパンジーが殺害されるという奇抜な内容ゆえに、「いかにチンパンジーが殺されたという点を生かすのか」の方に意識が行ってしまった。もちろんその点も面白味の一つだが、それ以上に、これほど単純に、堂々とヒントをさらしポイントから目をそらさせるというのは見事としか言いようがない。このオチのレベルの高さには脱帽する。さらに探偵と助手が居ながら助手のほうが賢い(笑)という迷コンビも間違いなしに好感度の高そうなキャラクターである。クリスティと同時期に活躍した作家だそうだが、その知名度はクリスティに比べて日本では低く、翻訳作品もあまりないというが。。。もしこのレベルの作品がザラにあるなら、その実力がクリスティに負けているはずがない。

・・・が、実はわたくしは読みづらかった^^;
会話も多く字も小さくなくページ数も少なく読みづらい要素はないはずなのだが。。テクニックよりその点のほうが今回は重要に感じてしまい、平均的な点数をつけた。お許しを。