すべてが猫になる

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ウォッチメイカー/The Cold Moon  (ねこ4.5匹)

ジェフリー・ディーヴァー著。文春文庫。

”ウォッチメイカー”と名乗る殺人者あらわる!手口は残忍で、いずれの現場にもアンティークの時計が残されていた。やがて犯人が同じ時計を10個買っていることが判明、被害者候補はあと8人いる――尋問の天才ダンスとともに、ライムはウォッチメイカー阻止に奔走する。2007年度のミステリ各賞を総なめにしたシリーズ第7弾。(上巻裏表紙引用)


あれ?原題・・・。。。
というわけで、リンカーン・ライムシリーズ第7弾、クリスマスに合わせ待望の文庫化。一番楽しみにしてたんだよね~、これ。本作がファン人気1位ぐらいの勢いだから。

それもそのはずというか、だって語ることいっぱい。最初に犯人が判明していて、犯人側とライムチームとの別視点で交互に話が進んでいく、というのはいつも通り。そして「あれ?上巻でもう解決したぞ?」と思わせるのも最近のライムシリーズの定石。今回はライムの身体のことにはあまり触れず、サックスの心に大きなある変化が起きるのが見どころ。そして、新キャラクターであるキャサリン・ダンスの存在と事件への貢献度の大きさは語るに外せない。キネシクスという尋問方法を使って、容疑者の嘘と本音を見抜くというエキスパート。物的証拠に重きを置くライムとの対立が、後半どう変わって行くか。このキャサリン・ダンス、ロン・セリットーの魅力をたちどころに見抜きました!!ゆきあや的好感度アップ。

というわけで、ルーキーであるプラスキー(サックスの部下)刑事(こいつがまたライムといい絡みを見せるんだ^^)も新たに加え、レギュラー一行揃い踏みで楽しませてくれる。事件は下巻に入ってから怒涛の展開を見せるというのはどんでん返しのプロであるディーヴァーにはお手のものなんだけど、今回の
裏切りの連続っぷりは凄い。全部その場その場で信じてしまうタイプのわたくしにはもう誰が悪人で誰が善人だか。動機もずいぶん安っぽいなと思ったらやっぱり違うし!!あれもこれも犯人のミスかと思ったら違うし!!警察絶体絶命かと思ったら読者騙しだったし!!!

ほんでもって、ラストでちょっとやられたなあ。登場した時から嫌いだったある人物が・・・わたくし、急にこの人好きになった。こりゃないわ。もしかしてこの書き方だと、この人準レギュラーになるのかもね。いいよ~、ライムチームに入ってもいいよ~^^


てなわけで、堪能しました。キャサリン・ダンスが主人公になったスピンオフが次文庫化になるのかな?たのしみ~^^

(801P/読書所要時間6:00)