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NECK  (ねこ3.8匹)

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舞城王太郎著。講談社文庫。

首で分断された想像力が、お化けを作りだすんやで―幼少体験をもとにした「ネック理論」の真実。首から下を埋められた三人の、地獄の一日。山奥に潜む恐怖の首物語。首の長い女の子が巻き込まれた殺人事件…映画原案、舞台原作、そして書下ろしを含めた、4つの「ネック=首」の物語。(裏表紙引用)


文庫書き下ろし版。
ウチの周りの舞城ファンクラブ内では、ノベルス新刊「獣の樹」のほうに人気が集中しているもよう。なんだか道尾さんの「プロムナード」の時と同じ轍を踏んでしまったような^^;


というわけで、8月21日に公開される映画の原案含む「首」をモチーフにした1つの小説と3つの脚本が掲載されている本書。まずは短編小説、「a story」。150数ページの書き下ろしでござるよ。なんか、舞城初期作品ファンには嬉しいネタがてんこもりらしいんだが^^;すまん、わたくしわからんかった^^;まあそれは許してもらうとして、10代女子を主人公にしたホラーが疾走感あふるる文体で描かれていてなかなか良かった。首の骨が人より一本多くて、首の中に箱があって、そこから男が出て来る、、っていうのが面白いじゃないの。

で、次が絵コンテ付きの脚本、「the original」。舞台化されたんだって。
個人的には、こっちの方がグロくてめちゃくちゃで面白かったなー。これを小説にしてくれればかなり
お気に入り作品になってたと思う。

で、で、次もイラスト付きの脚本。首が関係するし、登場人物の名前も被るんだけど別のお話なんだね。
焼き直しとかじゃなくって、同じホラーなのにまったく違う雰囲気になってて凄いな。これは子供が出て来る分グロさは控えめ。なんか、埋められるお話ばっかりで食傷気味^^;読んでて呼吸が苦しくなって来ますです。

で、でで、「the third」。これが映画の原案なんだって。
エエエ~~~ッ^^;;と言わせてもらおう。。映画の紹介見たら、全然違うっぽいけど。。
越前魔太郎とか冥王星Oとかが出て来るのだが、これを読んで「よし、冥王星Oシリーズを読もう」とは
思わなかった^^;扱いがなんというか。。


以上。え~、何の前知識もなく手に取って読むのは間違っている気がする(笑)。舞城ファンしかこんなの買わないと思うけどね^^;でも、ラブじゃなくてバイオレンス側の舞城ファンなら読んで損はないと思うよー。


(577P/読書所要時間3:00)