すべてが猫になる

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世界の中心で愛を叫んだけもの/The Beast That Shouted Love at the Heart of the World  (ねこ3.4匹)

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ハーラン・エリスン著。ハヤカワ文庫。

人間の思考を超えた心的跳躍のかなた、究極の中心クロスホエン。この世界の中心より暴力の網は広がり、全世界をおおっていく……暴力の神話、現代のパンドラの箱を描いてヒューゴー賞を受賞した表題作はじめ、核戦後、瓦礫の山と化したシティを舞台に力で生きぬくちんぴら少年たちと言葉を話す犬との友情を描く「少年と犬」など短篇15篇を収録。米SF界きっての鬼才ハーラン・エリスンのウルトラ・ヴァイオレンスの世界。(裏表紙引用)


ぐああああ(><。)。。。。
苦戦した~~~~これ、読むのほんとにしんどかった~~~~(><;)。でも、SFは絶対挫折しないと誓っているので頑張りました。。。ああ、ほんとに文章が頭に入らなかった。。読後に真っ先に浮かんだ感想が、「こんな流血と暴力ものいやだぁぁぁ」だったんだけど、今はじめてあらすじを読んだらはっきりそういう本だと書いてあった(笑)。いかにハンドブックを熟読していないかが明らかに^^;

表題作が難解だった、という書評をちらほら見かけたのだけど、個人的には表題作と次の「101号線の決闘」はOKだった。表題作は大量殺戮をする男の話なのだけど(ずいぶんざっくり説明したな。。)、
イメージと精神力で読む分には問題なし。想像力を駆使するタイプの作品にはふたつあって、映像を浮かべるものと文のリズムを楽しむものと。これは後者かなと。「101号線~」は、近未来のカーチェイスの凄い版というか(笑)。ヴァイオレンスだけどラブが注入されている。。

3編目の「不死鳥」以降が厄介でした(--;)。精神力と協力が読書に必要なのは賛成だけれど、「根性」は要らないと思うわたくしとしては、辛いだけで。なんかあちこちの奇想コレクションの後半のお話ばかりを集めました、みたいな^^;;

それでも後半は割に親切でわかりやすい「ザ・SF」なものが固まっていたので助かった。雪女とか、犬と会話する男とか、異星人が侵略してショーを開催するお話とか(笑)。

お気に入りは、周りの人間に自分の姿が見えなくなった「聞いていますか?」、異星人ショーのオチにへこむ「満員御礼」、キバ星人に侵略された人類の中でヤク中の男が主人公となった「星ぼしへの脱出」あたり。ナントカ賞の「少年と犬」は読みやすかったが性描写がちょっと^^;SFってこういうのタブーだと思ってたんだが、作家経歴を読むと相当なやんちゃみたいなので斬新だったのかな。


余談ですがちゃんと検索入れないとしょうもない恋愛ものがヒットしてしまうのでご注意。

(418P/読書所要時間4:00)