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チェーンレター  (ねこ3.4匹)

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折原一著。角川ホラー文庫

「これは棒の手紙です。この手紙をあなたのところで止めると必ず棒が訪れます。二日以内に同じ文面の手紙を…」水原千絵は妹から奇妙な「不幸の手紙」を受け取った。それが恐怖の始まりだった。千絵は同じ文面の手紙を妹と別の四人に送ったが、手紙を止めた者が棒で撲殺されてしまう。そしてまた彼女のもとに同じ文面の手紙が届く。過去の「不幸」が形を変えて増殖し、繰り返し恐怖を運んでくる。戦慄の連鎖は果たして止められるのか。 (裏表紙引用)


年に2冊は折原さんを読もう(※すべ猫版座右の銘より抜粋)。

折原さんのホラー文庫って初めて読むなあ。単行本では青沼静也というペンネームで出していたらしい(名前の元ネタはミステリファンならわかるよね^^)。しかし文庫化にあたりやはり折原一というブランドネームで出さないと売れないと判断され元に戻したのだとか。たしかに。と言っても、元々折原さんの作品にはホラーを感じるものが多かったのでそれほど他の作品と差を付けなくてもいいんじゃないか。どうせあのトリックだし^^

というわけで、内容はまあまあ。
設定である「不幸の手紙ならぬ棒の手紙」チェーンレターがなかなか面白い。2日以内に5人に同じ文面の手紙を出さないと”棒”が訪れるというのだ。なんだこりゃ(笑)。こういうユニークな点も含めてやはりホラー向きである。しかし、手紙が連鎖して行って登場人物が増え、繋がって行く過程は相変わらずでページ半分にして既に飽きそうになる。しかも今回は伏線も割と易しめ。混乱はしないが折原節を堪能するには弱い。違いと言えば、やはり結末か。ホラーでしか可能にならないオチで締めて来た。無難に楽しめる作品だが、折原さんの本なら何でも読みたいって人かホラーならなんでもいけまっせ、という人以外はどうだろうな。

                             (421P/読書所要時間3:30)