すべてが猫になる

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死体のない事件/Case Without a Corpse  (ねこ3.7匹)

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レオ・ブルース著。新樹社。

好評の『三人の名探偵のための事件』につづくビーフ巡査部長ものの長編第二作。とつぜん殺人を告白して自殺した若者。だが、被害者がなぜか見つからない。ヤードからきた敏腕警部の追及にもかかわらず、事件はますます混迷をきわめてゆく。謎と笑いの被害者捜しはどこへ。(あらすじ引用)


レオ・ブルース2冊目~。
『ロープとリングの事件』と同じくビーフ巡査部長シリーズ。やはりこのビーフはいいねぇ。事件捜査の合間に相変わらずダーツに興じている。。ワトスン役のタウンゼンドも元気そう。面白いよねえ、ワトスン役は毎回女性に恋しなければいけないとか言ってるし(笑)。ワトスンとヘイスティングスみたいにうまくいくといいね^^今回はビーフの敵役スチュート警部とのやりとりが目立っていて出番が後ろに廻ってるけど、ラストのビーフからの協力要請で見事なピエロを演じた(笑)彼の姿にファンになった読者は多いんじゃないかな。

本書はいわゆる『被害者探し』もの。「人を殺した」と言ってビーフの目の前で服毒自殺したロジャース青年。そしてロジャースに関わる人間が数名行方不明になっている。この「被害者」候補の身辺をあたっていくのだけど、捜査が後手後手で展開が読めないから面白い。毎回振り出しに戻っちゃったりして。この事件ではアルゼンチン警察も協力してくれていて、イギリス国民も注目。このブエノスアイレスの指紋なんとかシステムって凄いなあ。前科がなくても、っていうのが怖い。。

そして事件はすれっからし読者の想像もつかない意外な真相へ。小さい作業着の謎とか面白かったなあ。確かにフェアでないところもあるし後出しの情報もあるけれど、ミステリファンなら概ね楽しめるんじゃないかな。クリスピンほどのクセもないし、今でも通用しそうなこういう作家をどんどん復刊して欲しいなあ^^

しかしタイトル字がでかい。。。^^;;;

                             (283P/読書所要時間3:00)