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任侠学園  (ねこ3.8匹)

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今野敏著。実業之日本社

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は総勢六人というちっぽけ極まりない所帯だが、堅気に迷惑をかけず、任侠と人情を重んじる正統派ヤクザである。組長の阿岐本雄蔵は、兄弟分の組長から、経営難に陥った私立高校の再建を引き受けることになった。文化的な事業に首を突っ込みたがるオヤジの悪癖を嘆きながらも、日村たちは学校へ乗り込む。そこで彼らが接したのは、割れたまま放置された窓ガラス、平気で煙草を吸う生徒、無気力な教師たちであった。百戦錬磨のヤクザをあぜんとさせるほど荒廃した学園を、日村たちは立て直すことができるのか?。 (あらすじ引用)


いやあ、「隠蔽捜査」の大ファンになったおいらですが、今野さんの他の作品には手を出さないだろう、と思っていました。そしてこのたび、べるさんの素晴らしい記事により「任侠学園」を読了いたしました。ぱちぱち。

いやはや、内容はと言えば仁義と人情と社会派で、大変好みの内容でした!最初はあまりのベタさと大袈裟さに引いてしまったのですよ。自分はどちらかと言うと大勢の普通の中から異端をピックアップしたものの方が好きなので。こんなに思い通りに行くわけがない、と言う反発心さえ芽生えてしまいました。だけど正しいものはどの時代でも変わらないはずで、だからみんなは真っ直ぐ家に帰って「ごくせん」を観るのでしょう(ラストシーンの○○幕含め、本書との酷似に苦笑しました^^;)。

まあそれはさておき、キャラクターの話です。
一番好きだったのが、体育の島本先生と警備員のおじいちゃん^^ 人間っていいなと思わせてくれるシーンはこの二人が総取りしていたんじゃないかな。もちろん阿岐本親分の格好良さがメインなんですけど^^モンスターペアレンツや弁護士を撃退するシーンもたまりません。ヤクザで理事なのに花壇の手入れや割れた窓の掃除を重視する所も聡明さを感じさせますし、代貸の日村がなんだかんだ思いながらも学校に染まって行ってるのが^^;;生徒との心の疎通をやり遂げたのは日村の一人勝ちではないでしょうか。欲を言えば、憎ったらしい小日向美咲をもっともっとぎゃふんと言わせて欲しかったかな。あれで充分へこんだでしょうけどね^^;

それにしても、これが続編だというのがびっくりです。おいらとしては、これの続編を希望したい、という気持ちなんですけど(笑)。とりあえず1作目も楽しみですけどね^^

べるさん、どうもありがとう^^貴女の記事がなかったら絶対読んでなかった本だと思う^^