すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

チョコレートビースト  (ねこ3.7匹)

イメージ 1

加藤実秋著。創元推理文庫

なぎさママの店に押し入った強盗に、晶が投げつけたバッグには、四十三万円ことまりんが入っていた!?そのまままりんは強盗たちに連れ去られ、晶はホストたちと共に事件解明に乗り出すことに。表題作「チョコレートビースト」をはじめ、indigoに持ち込まれたストリートのトラブルにホスト探偵団が挑む。スタイリッシュな文体で、個性的なキャラクターを描いた、シリーズ第2弾。 (裏表紙引用)


第1弾である「インディゴの夜」はあまり好きじゃなかった。ミステリ的には面白いと思ったのだけど、文章が平凡でキャラクターに魅力がない、とかなんとか酷い事を書いてしまった記憶がある。そういうわけで、続編である本書を借りる気はなかったけれど文庫が出たなら買ってもいいかな、というゆきあや謎の価値観により久々の加藤実秋さん。

あれ?面白かったし、好きになったぞ^^;
別に第1弾で感じた事を前言撤回する気はないのだけど、読んでいて退屈では決してなかったし、ミステリ的におおっと言わせる作品や、ドラマ的にグッと来るシーンが適所にあり、レベルが上がっている気がする。キャラクターそれぞれに面白い口癖などを使い、生き生きとして来たというのか。

ただ、そう思ったのはいわゆる今回だけの新キャラで、メインキャラのホスト君達への印象は前回のまま。源氏名をはじめとする彼らの個性はバラバラなのに、言葉遣いや行動などにそれぞれのカラーが全く感じられない。強いて挙げるならアレックスと空也ぐらいか。主人公オーナーである晶に至っては人望とは縁のなさそうな平凡な女性に映るのだけど。。読者目線という役割にしてはあまりにも。。

あ、いや、とは言いつつ楽しめました^^;
でもほんと、キャラさえ立てればもっともっと人気が出るシリーズだと思うので。普通に楽しむ分にはいい感じかな。続編読むしぃ。