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黄泉津比良坂、暗夜行路  (ねこ3.5匹)

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藤木稟著。トクマ・ノベルス。

ぐおぉーんと、寂寥たる闇を震わせて、不気味な鐘の響きが山中を貫いた。絶対、鳴らないといわれ、もし鳴るようなことがあれば『この世が終わる』と伝えられた不鳴鐘が突然、大音声で鳴り響いたのだ。鐘堂に駆けつけた天主家の人々の前に、また新たなる悲劇の幕が上がった。着物を着た人間の膝から下の部分が釣り鐘の中からぶら下がっている。庭師の秀夫だった。突然吉原より呼び出された朱雀十五、因縁の地、神岡山の聖地、天主家の館に再度、乗り込むことに…。いよいよ、事件は因習と血塗れの大迷宮に。全ての謎は解かれるのか。『黄泉津比良坂、血祭りの館』完結篇。(あらすじ引用)


実はこれだけネットぶくおふ文庫がなかったのでノベルスです。ぶつぶつ。凄い、タイトルが全部漢字だあ^^;ちなみに「暗夜行路」は「あんやのみちゆき」と読ませます。

前編である『~血祭りの館』の後編である本書。いよいよの真相解明です。前編と比べ、なんら変わったところはないのですがちょっとさすがに飽きてしまいました^^;それというのも、暗号にまつわる
蘊蓄が大変だるかったからです。。100ページくらいは朱雀による解説が内容を占めていたかもしれぬ。。しかも、朱雀がなんだか今までのような謎めいた存在でなく、普通のそのへんにいる探偵みたいになってしまっている。さらに、柏木君の役割がそれだけ?と思えるあたりも期待ハズレ。その分、律子さんが朱雀の助手として飛び回っていますね。朱雀がやたらとこの律子さんを冷やかしているシーンが目立ちますが、本当に気がないのかな。

今回自分が気に入った点は結構マニアックです。朱雀が正体を隠すために「山田太郎」という偽名を名乗っている^^;(あ、全国の山田太郎さんすいません)その名前に突っ込む律子さんに対して、「彼らは世俗に疎いからたとえ僕が「鼻画もげ太」と名乗っても気にしないさ」と返す朱雀^^;;は、鼻画もげ太~~~~~~!?^^;;;気にするだろ!

余談ですが、姉貴が先日まほろとの類似を指摘しておられました。この後編を読んで、ちょっと賛同したくなったかもしれない^^;変なルビはいいとしても(まほろほどではない)、後半の読者を置き去りにするテンションは似ていると言っても過言ではないし、第一おいらが受け付けにくかった作品だったから。。いや、雰囲気や設定は好きなんだけどね。